米大統領選の共和党候補指名争いでリードするドナルド・トランプ氏が２７日（現地時間）、ワシントンのメイフラワーホテルで外交政策発表会を開き、「米国の同盟国が適切な防衛費を支払っていない」という従来の立場をまた強調した。

この日、トランプ氏は「私の外交政策の大前提は米国が先（Ａｍｅｒｉｃａ　ｆｉｒｓｔ）というものだ。この原則を基準にすべての判断をする」という宣言で演説を始めた。

トランプ氏は「オバマ大統領の外交政策には一貫性がなく戦略もない」とし「エジプトやリビアのような中東国を民主化するといって無駄な努力を続け、尊い米国軍人の命だけを犠牲にした」と攻撃した。


続いて「中東の唯一の民主主義国家であり我々の友邦であるイスラエルを軽視し、北朝鮮が核能力を拡張して挑発を継続するにもかかわらず眺めていた」とし「オバマは友邦を嫌い、敵国には頭を下げる大統領」と主張した。トランプ氏は「統制不能な北朝鮮を抑止するには中国が自国の役割を果たして北朝鮮に圧力を加えるべきだが、オバマは中国も放置している」と述べた。

特に、オバマ大統領がイスラム国（ＩＳ）を阻止するのに失敗したと繰り返し強調した。トランプ氏は「オバマ大統領は極端的イスラムという名前にも言及しようとしない。ＩＳがリビアで石油を売って稼ぐ姿を傍観している」とし、オバマ政権の対応が十分でないと批判した。トランプ氏はＩＳについて「彼らは長続きできないだろう。私が大統領になればＩＳはすぐに制圧されるはず」とし「我々は予測不可能に動かなければいけない。今のようにいつ空襲をして兵力をどれほど派遣するかについて、あらかじめ話すことはない」と宣言した。

トランプ氏は同盟との関係を変えるべきだとも主張した。トランプ氏は「これ以上、米国が友邦に与える一方的な同盟関係はないだろう。我々が同盟を助けるだけに、彼らも我々に助けにならなければいけない」とし「自らの役割をしない同盟は自ら防御させる」と述べた。トランプ氏は今回の演説では韓国や日本を特定しなかった。

民主党の有力大統領候補ヒラリー・クリントン氏に対する攻撃も欠かさなかった。トランプ氏は「２０１２年に在リビア米国大使が攻撃されて死亡した時、国務長官だったクリントンは家に帰って寝た」と指摘した。続いて「我々には新しい人が必要だ。華麗な履歴書に失敗した経歴で満たされた従来の専門家より、実用主義的で斬新な戦略家がよい」と述べ、弱点に挙げられた陣営の外交専門家不足問題を払拭しようとした。