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韓国銀行「コインレス取引」年末から試験事業開始

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
2600年余りの歴史を持つ金属貨幣(硬貨)の時代が暮れている。早ければ今年末から韓国でも硬貨を使わないコインレス取り引きをするための試験事業が始まる。

韓国銀行のパク・イラク金融決済局長は25日、「硬貨発行と管理にかかる社会的費用を節約し、消費者の便益を高めるために『コインレス社会』の可能性を研究中だ。共同研究グループを構成し最も効率的な案をまとめるだろう」と話した。このために韓国銀行金融決済局職員と金融保安院、金融決済院、移動通信社、プリペイド交通カード発行会社、大学教授はコインレス社会に向けたワーキンググループを発足させた。

韓国銀行のキム・ジョンヒョク電子金融チーム長は、「7月までにコインレス社会に向けた試験モデルを確定することにした。年内に試験モデルに対するテストを経た後、試験運営事業を施行する予定」と話した。


現在韓国銀行内部で有力に検討中されている案は、紙幣で支払いお釣りに硬貨がある場合に、交通カードにチャージしたり本人の口座に即時入金する方式だ。このためにコンビニやマートのほか、薬局やコーヒーショップなど小銭が多く使われる商店に端末を設置する計画だ。例えば薬局で4500ウォンの風邪薬を購入し5000ウォン札を出した場合、お釣りの500ウォンはその場で交通カードにチャージする方式だ。キム氏は「この段階が定着すればお釣りをもらう代わりにショッピングモールのポイントやマイレージなどとして積み立てて使う形態にも発展できる」と話した。

韓国銀行がコインレス社会を主導的に推進する理由は、硬貨を使うのにかかる社会的費用のためだ。硬貨の場合、小額のため紛失してもしっかりと探さず捨てられてしまうケースが多い。韓国銀行関係者は「紙幣の還収率は60%以上なのに対し、硬貨の還収率は10%台にすぎず、毎年新規発行に多くの費用が必要となっている」と話した。さらに体積が大きいため硬貨を取り引きする金融会社と商店などでも硬貨を保管し流通するのに費用がかかる。顧客もやはり重い硬貨を持ち歩かなくてはならない不便がある。金融消費者連盟のカン・ヒョング金融局長は「硬貨を簡単に別の決済手段に転換できるようになれば消費者があえて硬貨を使う理由はなくなる。ただすべてが電算化されることによって生じる恐れがある個人情報流出などに対する補完装置が用意されなければならない」と話した。

コインレス社会が実現されれば究極的には現金のない社会がくるかもしれない。実際に韓国銀行が実施したアンケート調査によると、韓国の現金使用量は持続的に減っている。昨年は1人当たり財布に保有する現金は7万4000ウォンで前年比3000ウォン減った。支払い手段別ではクレジットカード利用の割合が39.7%で前年より大きく増え、現金使用の36.0%)を上回った。1年前には決済時に現金を使う割合が38.9%でクレジットカードの31.4%より多かった。さらにモバイル決済市場規模が2014年10~12月期の4兆9000億ウォンから昨年10~12月期には7兆4000億ウォンと急成長している。

すでに海外では金融取り引きの透明性のために「現金のない社会」を推進している。スウェーデンでは2007年から大都市でバス料金を現金で支払うことを禁止している。また、フランス、イタリア、スペインなどユーロ圏の国では脱税と資金洗浄など犯罪に現金が使われるのを防止するため現金支払いの上限額を設定している。



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