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【コラム】トランプ現象は終わるのか=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
ドナルド・トランプは一つの超常識的現象(Transcendental phenomenon)でウィスコンシンまで突っ走ってきた。ドイツ時事週刊誌『デア・シュピーゲル』は彼を小学4年レベルの知能を持つ人間として描写した。米国の主流メディアは当初、彼の大統領選挙出馬を冗談と見ていた。しかしドナルド・トランプという名のジャガンナート(juggernnaut=巨大な怪物)の前で、米国の品位が力なく崩れ、米国の文明自体が脅かされる状況となった。共和党の主流勢力は精神がもうろう状態であり、どうしてよいのか分からないようだ。トランプのノイズマーケティングに白人低学歴貧困層が熱狂し、共和党極右勢力のティーパーティーがトランプのバンドワゴンに跳び乗った。無限疾走していたトランプが4月5日のウィスコンシン共和党予選でテッド・クルーズに足をすくわれた。

政治的な常識を超越したトランプ現象はウィスコンシンまでなのか。共和党の主流勢力と米国民主主義の未来を心配する米国人、彼の非常識な対外政策発言が気になる韓国と日本とNATO同盟国はそうなることを願っている。しかし速断してはいけない。少なくとも代議員数92人の4・19ニューヨーク州予備選までは待たなければいけない。代議員数が169人のカリフォルニアも残っている。

いったいトランプ現象の震源地はどこなのか。彼の伝記作家マイケル・ダントニオによると、トランプは大学時代から今まで真摯な本を一冊も読んでいない。ニューヨークのマンハッタンにあるトランプタワーの豪邸のようなペントハウスでも、ダントニオは本を1冊も見なかった。このように文化的素養がないトランプがどのように米国政治名門家のジェブ・ブッシュを最初に退場させ、フロリダ出身の上院議員マルコ・ルビオをフロリダで跪かせ、テッド・クルーズを気力が尽きた状態でウィスコンシンに来させたのか。


南イリノイ大名誉教授(哲学)のキム・サンギ博士はトランプ現象を賎民の反乱と見ている。『ニューヨーカー』の記者ジョージ・パッカーの洞察も似ている。パッカーはこうした事実を指摘した。2008年金融危機当時、数百万人の中産層白人が庶民層に転落した。その後、経済が回復したが、経済成長の果実は富裕層に独占され、貧富の差が大きく広がった。白人の庶民は自分たちだけが捨てられたという挫折感を感じ、政府と主流政治家、富裕層に対して背信感を抱くようになった。パッカーはこうした背景から米国では2008年から徐々に経済的・道徳的崩壊が進行してきたと指摘した。経済的・道徳的崩壊は米国の伝統的な品位(Decency)、移民者に対する寛容、強大国の地位にふさわしい対外的な関与まで剥奪している。白人庶民層が億万長者の扇動に熱狂するのはまさにアイロニーだ。



【コラム】トランプ現象は終るのか=韓国(2)

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