中国のアオラン（傲瀾）グループの役員６０００人で構成された「中国人観光客軍団」の仁川（インチョン）訪問は大きな関心と反響を呼んだ。ドラマ『星から来たあなた』の撮影地という特色を生かして月尾島（ウォルミド）で４５００人が参加した「チメク（チキンとビール）パーティー」は興行大ヒットだった。劉正福（ユ・ジョンボク）仁川市長の言葉のように、仁川は「観光不毛地」から「観光のメッカ」に飛躍する可能性をのぞかせた。

仁川市が大規模な団体観光客を誘致して、低迷していた地域の雰囲気に肯定的な刺激を与えたのは拍手を受けるに値する。しかし大騒ぎするばかりで実益を得られなかったという指摘も出ている。いまだ満足するには依然として渇望状況で行く道は遠い。物静かに点検して補完すべき点などがたっぷりと発見されたためだ。

数日間、中国人観光客が通り過ぎた観光地を再び記者が直接行ってみたところ「よくやったけれども残念だった」という反応が多かった。


観光コースの１つだったモレネ伝統市場は中国人観光客を迎えるために１週間前から大々的な準備をした。商店会のわずかな予算から２５０万ウォンを投じて路上公演団を呼んであちこちに歓迎の垂れ幕も掲げた。

だが実際に訪れた中国人観光客は、写真数枚を撮ってトッポッキ・かまぼこ・イチゴなど安いおやつだけを買って食べて行ってしまった。滞在時間もやっと２０分程度だった。ソ・ジャンヨル商店会長は「時間が足りずお金を出していてもガイドが『行こう』と言いながらそのまま行ってしまった。６０００人も来るからといって大きな期待をしていたが損失だけだった」と話した。

『星から来たあなた』の撮影地である松島（ソンド）の石山（ソクサン）はフォトゾーン数カ所だけがぽつんと作られていて見どころが足りず、一部の観光客が「退屈だ」という反応を見せた。『星から来たあなた』の撮影地である仁川大学は、今回の観光コースに含まれていた事実をマスコミの報道を見て知ったという。仁川大の関係者は「事前にしっかり協議していたら徹底して準備したのに残念だ」と話した。

宿泊所不足も大きな問題だった。仁川市はアオラングループを誘致しながら仁川地域では２７ホテル１５００客室だけ予約した。ホテルが足りず残りはソウルと京畿道始興（キョンギド・シフン）で確保した。アオラングループ側も「ホテルがいろいろな所に分散して大変だった」と吐露した。通訳はガイドを中心に行われて中国人観光客が個別活動をとるのが難しく、財布を開く時間も足りなかった。

仁川市は今回のアオラングループ誘致を皮切りに本格的な中国人観光客の攻略に出る計画を明らかにした。「また来たい街にする」と確約もした。

観光メッカの夢を現実にするには仁川経実連のキム・ソンウォン事務局長の忠告を深く胸に刻めば良いだろう。

「大規模な観光客をもっと多く持続的に誘致するには、それにふさわしい宿泊施設の拡充は基本だ。フード・見どころ・遊び物やショッピングの便宜を備えてストーリーテリングなど多彩な観光商品とコースを開発しなければならない」

チェ・モラン社会部門記者