美容室の明洞時代が幕を下ろしたのは１９９０年代だった。ソウル江南区狎鴎亭洞（カンナムグ・アプクジョンドン）などにできた高級美容室にお客さんが集まりながら、明洞の美容室は一つ二つと閉店した。ハ会長も明洞本店を維持するかどうか悩んだ。

「当時は私たちも江南に支店をいくつか持っていた。そこだけで稼いでも充分だったし、ここでは私たちの美容師を引き抜きしようとするスカウト競争のために頭を痛めるばかりだった。それで本店を閉めようとしたが、建物オーナーとの権利金問題で摩擦ができて失敗に終わった。今は最古参になったので、禍を転じて福となすといったところかもしれない。ほほほ…」。

マーシャルでは３０年にわたって担当美容師を訪ねてくる顧客を簡単に見かける。この日来たお客さんのユン・ヒジョンさん（５８）も２０代の頃からの常連だった。彼女は「１９８０年代にはここに来て座っていると、美しいお嬢さんたちが水着姿でウォーキングの練習をしていた。その時の『担当のお姉さん』が今でも私の頭をカットしてくれる副院長さんなので本当に古くなったと思う」と言って笑った。


ハ会長は「江南に出した支店に比べて明洞本店の収益性は良くないが、この場所をずっと守りたい」と話した。彼女は「パク・ジュン、パク・スンチョルなどチェーン店美容室の代表はみな私たちマーシャルで実力を伸ばした。ソウルで１００年、２００年と営業しながら彼らのように立派な美容人を着実に輩出する拠点の場所になることを願う欲がある」と話した。



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