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【社説】10年連続で所得2万ドルの罠…構造改革のほかに答はない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
昨年の韓国の1人あたりの国民所得が2009年以降6年ぶりに減ったことが分かった。昨日、韓国銀行によれば2015年の1人あたりの国民総所得(GNI)は前年対比2.4%減少した2万7340ドルと集計された。韓国銀行は「韓国ウォン基準では4.6%増えたが、ドル対比韓国ウォンの価値が7.4%下落してドル表示の国民所得が減少したもの」と説明した。昨年、米国が基準金利を引き上げる前からドル高が目立っていたことを振り返ればうなずける。

だが為替レートの変数で覆ってやり過ごすには長期傾向がこの上なく危険だ。1人あたりの国民所得は2006年に2万ドルを突破した後10年連続で3万ドルの壁を越えられずにいる。日本とスウェーデンは4年、ドイツ・デンマークは6年かかった過程を韓国は2倍の時間を費やしてもまだ乗り越えられずにいる。がたがたと落ちている経済成長率のためだ。2007年まで5%前後を上下していた成長率は昨年2.6%まで下落した。今年も3%ラインを見通している政府の期待とは違い、似たような水準にとどまるだろうという観測が多い。為替レート効果の克服が手にあまるほど経済の体力が落ちたという話だ。

今後の展望も明るくない。韓国の潜在成長率は2008年のグローバル金融危機前に5%前後と推算されていたが、この頃は3%にもならないという分析が提起されている。低出産・高齢化で経済活動人口と生産人口が減り、企業部門の革新も振るわないからだ。鉄鋼・自動車・造船・製油のような主力産業は成長どころか現状維持を心配している。投資先を見出せない大企業と老後が不安な家計は、稼いだお金をため込むばかりで使う意欲を出せない。投資と消費が減って全体市場が縮む悪循環を心配せざるをえない。


抜け出す道は構造改革だけだ。労働市場はもちろん企業と産業政策、国家の長期戦略まで例外になれない。重厚壮大な産業中心のハードウェアマインド、輸出であらゆる事を解決しようとする輸出至上主義から脱却しなければならない。ちょうど各政党の総選挙の指揮棒を経済通が握っている。国民のもどかしさを解消する構造改革案が今回の総選挙で提示されることを期待する。



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