スイス・ジュネーブ駐在北朝鮮代表部の徐世平（ソ・セピョン）大使は１５日（現地時間）午前、国連欧州本部で開かれた国連人権理事会（ＵＮＨＲＣ）で「我々共和国人民は毎日美しい夢（ｂｅａｕｔｉｆｕｌ　ｄｒｅａｍ）を見ている」と主張した。徐氏は脱北者の処罰や海外労働者の搾取などに対する国際社会の批判を「虚構とねつ造」として反論し、「北には何の人権問題もなく、皆幸せに元気に暮らしている」と述べた。

また、「我々（北）に対する人権問題の提起は主権国家を転覆させようとする不純な政治陰謀」と強調した。徐氏の登場は会議出席のために現地入りした李洙ヨン（イ・スヨン）北朝鮮外相が国際社会の対北朝鮮批判に不満を表して今月１日に不参加宣言をして以来初めてだ。

徐氏のこのような主張にもかかわらず、国連人権理事会は北朝鮮を糾弾する場になった。国連北朝鮮人権特別報告官のマルズキ・ダルスマン氏は１５日午後の舞台行事で「北朝鮮の人権改善に向けた枠組みを再構築するべき時点」と述べた。ダルスマン氏は「国連北朝鮮人権調査委員会（ＣＯＩ）が報告書を出して２年が過ぎたが、北朝鮮の人権実態改善に貢献できなかった」として格別の対策が必要だと指摘した。


ダルスマン氏はその前日の人権理事会口頭報告でも「国際刑事裁判所（ＩＣＣ）提訴を含めて責任者が責任を負えるようにしなければならない」とした。明示はしていないが、公開処刑や政治犯収容所などに対して金正恩（キム・ジョンウン）第１書記に責任を負わせるようにしなければならないという指摘だ。

韓国政府と民間団体・活動家も気を引き締めている。大韓民国人権大使の李政勲（イ・ジョンフン）氏は人権理事会の発言で「北朝鮮当局の反人道的な犯罪行為に対して責任糾明を確実にしなければならない」と述べた。南北離散家族問題にも関心が集まった。国連経済社会理事会諮問役の非政府機構「一千万離散家族委員会」が主催した１５日のある行事には米国務省北朝鮮人権特使のロバート・キング氏が参観し、北朝鮮民主化フォーラムのイ・ドンボク代表と国際人道法学会のチェ・ウンボム代表も証言を発表した。一部の出席者は離散家族の対面映像を見て目頭を熱くしていた。