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【取材日記】AIが恐ろしいかって?もっと恐ろしいのは「AI技術集団」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
グーグルのディープマインドの人工知能(AI)「アルファ碁」が李世ドル(イ・セドル)九段と初めての対局で勝利すると、衝撃というより憂鬱に陥った。「来るものが来た」と気持ちをなだめてもそうだ。もちろんよく確かめてみれば、機械が人間に勝ったわけではない。ディープマインドのアルファ碁チームが驚くべき技術を完成しつつあるということだ。すでに機械が人間よりうまくやっている事は多い。計算も上手にやり、物もうまく作る。アップルの未熟な人工知能「Siri」が長年の友人よりもましだと感じた経験も結構ある。それなら問題はないのだろうか。そうではない。私たちは今とても、非常に深刻に憂鬱でなければならないようだ。

あっという間に精巧になるAIは、似たり寄ったりな知識労働者を威嚇する。今はAIが天気や証券市況、スポーツ競技の結果記事を主に書いているが、今後は企画記事やインタビューも非常に精巧につくり出すだろう。もしかしたら正確さの面ではAIがはるかに良い記事を書くかもしれない。アルファ碁で確認したように、AIには物理的な限界がない。落ちていく体力のような個人の事情などない記者AIと対決して勝つ自信がない。あふれ出るデータ、あまねく確保された専門家(専門AI同士のネットワーキングがリアルタイムでつながる)で重武装して作り出した記事と、喜怒哀楽の中でてんてこ舞いになりながら書いた記事。報道機関のデスクは完成度の高いAI記事を選ぶ可能性が高い。もちろんその時までデスクが残っていたらの話だ。

特定の芸術分野で人間の「創意性」を超えるのは難しいという分析も、また行き過ぎた楽観だ。もともと創意性というのは各業界から出される概略的な評判と当時の雰囲気、流れに期待して形成されることが多い。AIが創意性をまねたりつくり出したりするのも十分に可能と思われる。AIの創意性がかえって新鮮に感じられるかもしれない。


AIが人間を助ける忠実な召使い、助力者にとどまっているという展望もまた純真だ。AIは欲がないが、その背後のグーグルのような巨大情報通信技術(ICT)企業の欲望はまた別の次元の問題だ。技術を掌握したごく少数のエリート集団による支配が容易になったとみるのが現実的だ。

1905年に誕生した自動車が馬車に代わりながら馬夫は消えた。馬夫には、それなりに変化に適応して対応する時間が20~30年ほどあった。私たちは恐らく3~5年以内に急変する状況の中で、新たな道を模索しなければならない境遇だ。そのためにはAIに対する緻密な関心、何よりも疑いを多く持たなければならない。そうでなければAIの輝かしいパフォーマンスを眺めながら「昔は人間がAIよりも優れていた」のようなインターネットコメントをすること以外にすべきことがなくなるかもしれない。

チョン・ヨンジン経済部門記者



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