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【社説】14年ぶりに光を見たテロ防止法、残された課題は=韓国(1)

ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版
テロ組織イスラム国(IS)が韓国人20人の名前と電子メールアドレス、人質の斬首シーンが入った動画をユーチューブに上げた。身元が公開された人たちは公務員11人、企業広報チーム関係者9人などメディアを常にモニタリングする人たちとされる。情報当局はISが韓国国内に自生する追従者に、テロ攻撃を敢行しろというメッセージを送ったものと把握している。

米ワシントンポストは最近サイバーセキュリティ会社のノベッタの専門家の話しとして、北朝鮮のハッカー集団が開城(ケソン)工業団地閉鎖直後に新たな攻撃を準備する情況が感知されたと報道した。このように韓国でテロはもしかすると起きるかも知れない仮想の脅威ではなく、いつでも起こりうる実体的危険だ。

テロ防止法が2日に国会を通過した。最初の発議から14年ぶりだ。192時間の無制限討論による議事妨害の末に野党の集団退場の中で通過したが、世論は依然として分かれている。韓国ギャラップが4日に実施した世論調査結果によると、調査対象者1010人のうちテロ防止法に対する反対は51%で賛成の39%より多かった。インターネットやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)に国家情報院の無差別なモニタリングが行われるという疑惑、恐怖があふれる。国家情報院のモニタリングを避け“サイバー亡命”をするという人たちもいるほどだ。


だが今回通過したテロ防止法は一般の人たちまでプライバシーの侵害を心配するほど国家情報院に権限を付与しなかった。まず今回与党セヌリ党が通過させた法案は2003年に当時の盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が推進した法案より乱用・悪用を防止するための安全装置が強化された。盧武鉉政権当時に与野党の満場一致で国会情報委員会を通過した法案は、対テロセンターを国家情報院に設置し捜査権まで付与している。盧元大統領も「実務的にテロを事前に予防するには強力な情報機関が遂行しなければならない」として国家情報院に力を与えた。この法案には有事の際に軍兵力を動員できるという条項もあった。当時のウリ党の千正培(チョン・ジョンベ)議員ら一部法制司法委員会所属議員はこうした条項を問題にし法案に反対した。

これに対し今回セヌリ党のテロ防止法は対テロセンターを総理室傘下に置き国家情報院に捜査権を除き情報収集権だけを付与した。軍兵力動員条項は盛り込まれていない。14年前に現在の野党陣営が執権していた時に推進した法案よりも悪用の素地がはるかに減らされ補完された法案といえる。



【社説】14年ぶりに光を見たテロ防止法、残された課題は=韓国(2)

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