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【社説】精神疾患早期発見できなければ国が不幸になる=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国政府が25日に第1次精神健康総合対策(2016~2020年)を出した。3万カ所程度の開業医を1次医療網として活用し診療費負担を大幅に下げるということが骨子だ。全官庁が参加して確定した点、汎官庁差別改善タスクフォースチームを作ることにした点などは2012年の保健福祉部レベルの対策より一歩進んだと評価できる。

韓国人の精神健康は改めて言及する必要もないほど良くない。4人に1人の割合でうつや不安などの精神健康の悪化を経験する(2011年調査)。2011年以降に経済成長が後退しさらに悪化しただろう。問題が生じても15%だけがサービスを利用し、発病してから1年半後に医師を訪れる。米国は患者の39%がサービスを利用する。英国は発病後7カ月程度で医療スタッフを探す。一言で韓国は病院にあまり行かず、遅く行く。

すべての病気がそうであるように精神疾患は早期診断と早期対処が重要だが、タイミングを逃して病気が悪化すれば各種害悪が発生する。軽症と中等段階の精神疾患が生じれば失業者になるリスクは一般人の2~3倍、重症だと6~7倍だ。うつ病になると糖尿病やがん、心血管疾患にかかる可能性が高まる。本人と家族が不幸になり、さらには国家的な負担として返ってくる。


韓国政府が早期発見のために開業医インフラを利用するというが、方向性はうまくとらえた。診療科目の区分なく3万カ所程度の開業医が毛細血管となって早期に患者を見つけ治療すれば申し分ないだろう。特にうつ病は「心の風邪」のようであり整形外科医院が高齢者のひざを治療しながらうつ病を一緒に診断し管理することができる。そうするには開業医が参加する動機がなければならない。精神疾患患者は診療に時間が多くかかる。適切な報酬を用意しなければならず、専門医に患者を送る場合には補償しなければならない。

全国精神健康増進センターに「心の健康主治医」(精神科専門医)を配置しようという計画もいまの人材で可能なのか疑問だ。全国224の地方自治体のうち精神科医院がないところは38%の85カ所に達する。慶尚南道(キョンサンナムド)、慶尚北道(キョンサンブクド)、全羅南道(チョンラナムド)などはこうしたところが半分を超える。そうでなくても精神科にあまり行かないのに“遠征診療”までするはずがない。韓国の人口10万人当たりの精神科医師の数は8.3人で、経済協力開発機構(OECD)平均16人の半分にすぎない。ところが新規専門医輩出は減っている。精神科医師や専門看護士などを増やさなければならない。遠隔医療を活用することも代案だ。

精神健康増進の核心は偏見の解消だ。精神病の範疇から軽症疾患を除くことが優先だ。うつ病であれ不安障害であれ類型に関係ない。だがこれを盛り込んだ精神保健法改正案は2年以上にわたり国会で昼寝している。第19代国会が必ずこれを処理することで有終の美をおさめればと思う。韓国政府も2012年の計画をしっかり施行していないことを反省し今回の計画をしっかりと履行することに全力を尽くさなければならない。進展事項を定期的に公開するのも方法だ。



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