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韓経:【時論】通貨戦争リスク、技術競争力で乗り越えろ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本銀行が先月29日に過去初めてマイナス金利カードを切った。16日から日本の都市銀行が中央銀行に預けて置かなければならない支払い準備金の一部に対し年マイナス0.1%の基準金利が適用される。銀行に対し、お金を中央銀行に預けず積極的に貸し出させるという意味とみることができる。

日本のマイナス金利政策は円高にともなう輸出不振とデフレの懸念に伴ったものだ。最近の国際原油価格急落、中国をはじめとする新興国の景気不安などで世界経済の不確実性が大きくなり安全資産を好む傾向が強くなった。これに伴い円需要が急増して円高が続き、日本の輸出増加率が鈍化し始めた。日本としては価格競争力を回復するために円安を誘導する必要があった。しかし今回のマイナス金利政策にもかかわらず、安全資産への偏り現象による円高の流れが変わらない上、銀行の収益性悪化も懸念され株式市場は暴落傾向を見せている。10日の日経指数は2%以上急落し1万6000円台を割り込んだ。2014年10月以降で最低値だ。

日本のマイナス金利はアベノミクスの量的緩和の延長線上にある。日本銀行はこの3年間に0%台の超低金利を維持して市中に金融を緩和し円安誘導と輸出競争力を高める戦略を取り続けた。それでも昨年は0.6%の経済成長にとどまり、2015年11月の輸出は3年ぶりの最大幅で減少するなど、アベノミクスの薬効が切れかけているように見える時にまた円が高まってきたのだ。結局アベノミクスの核心通貨政策は量的緩和からマイナス金利に転換しているということだ。


いま韓国は2年前の日本の大規模量的緩和の時と似た状況に置かれている。日本がマイナス金利まで動員して誘導しようとする円安は短期的には韓国経済に肯定的な影響を及ぼす可能性がある。日本だけでなく世界的な量的緩和でグローバル資金が増え、投資と消費が活発になれば韓国の輸出企業の状況は良くなるだろう。円建て負債を持つ企業には実質的に債務を減らす機会だ。「円キャリートレード」で韓国の金融市場に資金が流入すれば韓国の証券市場にも肯定的効果があるだろう。

しかし中長期的には円が下がれば日本製品の価格競争力が高まり、韓国の競争品目である自動車、電子、機械などが影響を受けるのが一般的だ。その上いまは人民元の下落傾向も重なり、ウォンが相対的にさらに高くなるならば韓国の輸出企業の競争力に大きな脅威要因として作用するだろう。それでなくとも韓国の輸出は暗鬱な状況だ。1月の輸出は前年同月比18.5%急減し6年5カ月来最大の下落幅を記録した。こうした輸出萎縮状況で日本のマイナス金利政策が加わり韓国銀行の悩みが深くなっている。だが家計負債急増、外国人資本流出懸念などにより金利引き下げで対応するのは容易ではない。

正面突破するほかはない。韓国企業は金利引き下げと為替相場の助けを受ける一時的な価格競争力ではなく、根本的な力となる技術競争力確保に総力を挙げなければならない。過去に比べ為替相場変動に対する輸出敏感度が弱まり、韓国の輸出企業のグローバル競争力向上で円安にともなう余波は大きくないという見通しは一筋の光だ。製品競争力のほかにも輸出品目と地域を多角化し予測できない外部要因に振り回されないように輸出構造をしっかり固めなければならない。

日本と欧州のマイナス金利、中国も人民元安などグローバル通貨戦争はさらに加速化する兆しだ。その中で韓国がサンドイッチ状態になり首が回らない危機状況に置かれないよう発生可能なリスクをすべて考慮し敏捷に対応することを期待する。

チョ・ハヒョン延世(ヨンセ)大学教授(経済学)



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