韓国哨戒艦「天安」沈没事件の「スモーキングガン」(決定的証拠)が消える危機に直面している。韓国政府は2010年3月26日、白リョン島(ペクリョンド)の近くで発生した哨戒艦沈没事件を北朝鮮の仕業と結論づけた時、海底から引き揚げた魚雷推進体(2010年5月引き揚げ)を決定的証拠として提出した。そのような魚雷推進体が2010年8月から5年4カ月余りの間、ねつ造説に関連した裁判が行われながらほぼ自然状態で放置されているため、錆がついて劣化が激しくなっている。特に、北朝鮮軍が製作したという決定的な手がかりとなった「1番」という文字が消えかかっている。
23日午前11時、国防部調査本部1階ロビーに展示されていた魚雷推進体は部分的な腐食が進んで床にサビが落ち、「1番」という文字は別の照明で照らして注意深く見てみないとわからないほど薄くなっていた。国防部は当時、調査結果を発表した後、魚雷推進体を国防部の調査本部ロビーに展示してきた。
魚雷推進体とともに腐食が懸念される物品は腐食防止のための化学処理をするなど永久保存のための措置をするのが一般的だ。だが、国防部は何の措置も取らずにガラスケースだけをかぶせておいた。
裁判のために歴史的証拠物として残さなければならない魚雷推進体の毀損(きそん)を防ぐことができなかったというのが国防部の立場だ。
2010年8月、当時国防部長官だった金泰栄(キム・テヨン)氏ら5人は哨戒艦事件ねつ造説を提起したサプライズ代表のシン・サンチョル氏を名誉毀損容疑で告訴した。その後担当検事が5回も変わり、46回の公判を経て7日に結審公判が行われた。検察はシン代表に懲役3年を求刑した。裁判所は来年1月25日、シン代表に対する宣告公判を行う。
キム・ミンソク国防部報道官は「魚雷推進体は裁判の重要な証拠物品に採択された」とし「酸化防止や文字退色防止のような保存処理をした場合、証拠物の変形・毀損・操作などの問題も起こりうるため担当検事と弁護人側から証拠物毀損防止要求があった」と説明した。別の国防部関係者も「魚雷推進体の永久保存のためにX線撮影とサビ除去、防湿・防腐処理を施せば証拠物操作問題に発展するかもしれなかった」とし「(問題が提起された)きょう(23日)も、検察側から魚雷推進体を『そのまま置いておくのが良い』との立場を伝えてきた」と伝えた。
たとえそうだとしても、国防部の配慮がもう少しあれば魚雷推進体の酸化を最小限におさえられたのではないかとの指摘もある。博物館などは資料の変形と変色を懸念して恒温・防湿施設に保管して写真撮影さえも禁止という措置を取っている。だが、国防部側は魚雷推進体を出入り口からわずか5メートルほど離れたところに展示して外気に触れやすくし、写真撮影なども許可したため酸化を速めた側面がある。平沢(ピョンテク)2艦隊に展示されている哨戒艦「天安」も魚雷推進体と同じく酸化が進んでいる状態だ。
軍当局は裁判が終われば魚雷推進体を平沢2艦隊にある哨戒艦展示館などに移動させて永久保存処理を施すという立場だ。キム報道官は「裁判所や検察と協議して魚雷推進体の保存問題を決める」と話した。
だが、来月の1審裁判が終わっても、どちらか一方が結果を不服として控訴した場合、裁判は続いていかざるをえない。こうなれば毀損がさらに進むのではないかとの懸念が出ている。
23日午前11時、国防部調査本部1階ロビーに展示されていた魚雷推進体は部分的な腐食が進んで床にサビが落ち、「1番」という文字は別の照明で照らして注意深く見てみないとわからないほど薄くなっていた。国防部は当時、調査結果を発表した後、魚雷推進体を国防部の調査本部ロビーに展示してきた。
魚雷推進体とともに腐食が懸念される物品は腐食防止のための化学処理をするなど永久保存のための措置をするのが一般的だ。だが、国防部は何の措置も取らずにガラスケースだけをかぶせておいた。
裁判のために歴史的証拠物として残さなければならない魚雷推進体の毀損(きそん)を防ぐことができなかったというのが国防部の立場だ。
2010年8月、当時国防部長官だった金泰栄(キム・テヨン)氏ら5人は哨戒艦事件ねつ造説を提起したサプライズ代表のシン・サンチョル氏を名誉毀損容疑で告訴した。その後担当検事が5回も変わり、46回の公判を経て7日に結審公判が行われた。検察はシン代表に懲役3年を求刑した。裁判所は来年1月25日、シン代表に対する宣告公判を行う。
キム・ミンソク国防部報道官は「魚雷推進体は裁判の重要な証拠物品に採択された」とし「酸化防止や文字退色防止のような保存処理をした場合、証拠物の変形・毀損・操作などの問題も起こりうるため担当検事と弁護人側から証拠物毀損防止要求があった」と説明した。別の国防部関係者も「魚雷推進体の永久保存のためにX線撮影とサビ除去、防湿・防腐処理を施せば証拠物操作問題に発展するかもしれなかった」とし「(問題が提起された)きょう(23日)も、検察側から魚雷推進体を『そのまま置いておくのが良い』との立場を伝えてきた」と伝えた。
たとえそうだとしても、国防部の配慮がもう少しあれば魚雷推進体の酸化を最小限におさえられたのではないかとの指摘もある。博物館などは資料の変形と変色を懸念して恒温・防湿施設に保管して写真撮影さえも禁止という措置を取っている。だが、国防部側は魚雷推進体を出入り口からわずか5メートルほど離れたところに展示して外気に触れやすくし、写真撮影なども許可したため酸化を速めた側面がある。平沢(ピョンテク)2艦隊に展示されている哨戒艦「天安」も魚雷推進体と同じく酸化が進んでいる状態だ。
軍当局は裁判が終われば魚雷推進体を平沢2艦隊にある哨戒艦展示館などに移動させて永久保存処理を施すという立場だ。キム報道官は「裁判所や検察と協議して魚雷推進体の保存問題を決める」と話した。
だが、来月の1審裁判が終わっても、どちらか一方が結果を不服として控訴した場合、裁判は続いていかざるをえない。こうなれば毀損がさらに進むのではないかとの懸念が出ている。
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