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「借金の奴隷で社会生活を始める青年、格別の対策が必要」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ソウルの事務室で会った金寛起弁護士は自分の著書を見せながら「負債が貧困または挑戦によるものなら、その点を勘案した保護対策が必要だ」と強調した。

2001年12月、みすぼらしいジャンパー姿の50代の男性がソウル瑞草洞(ソチョドン)の「金寛起法律事務所」訪れた。彼は金寛起(キム・クァンギ)弁護士(52)に自らを「新聞社の植字工として働いていた」と紹介した。1990年代半ば、コンピューター組版の導入で仕事を失った植字工は退職金で精肉店を開いたが、2001年のBSE(牛海綿状脳症)事態を乗り越えられなかった。

牛肉の消費が大きく減り、数枚のクレジットカードで穴埋めをする間、大きな負債を抱えることになった。自殺も考え、個人破産制度関連の新聞広告を見て弁護士事務室をあちこち訪ねたが、門前払いにあった。最後に訪ねた金弁護士が彼を温かく迎えた。金弁護士は「彼に『あなたのような人が増えればいつか裁判所も変わるはずだから一度行ってみよう』といったのが、私の今の人生の始まりだった」と記憶した。

1997年の通貨危機当時、故郷の天安(チョンアン)で中小企業の再生手続きを代理した経験を生かし、米国で破産制度を研究してきた直後のことだったという。金弁護士は「通貨危機後に破産者が急増したが、2000年代初期まで裁判所は債務者のモラルハザードや過消費を疑って免責を否認する傾向が強かった」と述べた。


金弁護士が14年間の“破産屋”生活を決算する『破産法スケッチ』(ジンウォン社)という本を出した。

金弁護士は「過度な債務に追われて生死の岐路に立たされる人たちが社会的な死を受け入れて新たに生まれる道を探すことを願って書いた本」と説明した。そのためか、法の条文と判例で埋まった法学教科書とは全く違う。金弁護士は「破産や回生の意味を正しく知らず庶民がブローカーに振り回される状況が気の毒だった」と話した。

この本には、債務者と債権者が状況の展開によってどんな動機を持つようになり、どんな選択にいたるかを中心に破産制度運営のメカニズムが紹介されている。世の中を債権者と債務者の絡み合う関係から眺める独特のアングルでセウォル号事件、ハウスプア問題など社会的イシューを扱う部分も目を引く。金弁護士は「破産という領域は血だらけになった当事者が裸になって戦うところ」とし「どうにもならない借金に追われる債務者が選択できる唯一の戦略的手段が破産」と述べた。そして「わが国は破産法失踪状態」と指摘した。「負債は返さなければいけない」という教示を中心に破産法が構成され、免責の門が過度に狭いということだ。

金弁護士の最近の関心は青年負債問題だ。金弁護士は「金融機関が所得の見通しが不透明な青年に貸出を増やすのは、すでにその親から搾り取るものはないという意味」とし「借金の奴隷になった状態で社会生活を始める青年の負債問題解決のために格別の対策が必要だ」と述べた。

1988年に司法試験に合格し、ソウル中央地裁の判事を経て97年に開業した金弁護士は現在、妻の朴賛姫(パク・チャンヒ)弁護士と「金朴共同法律事務所」を運営している。



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