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「セウォル号事故当日の朴大統領所在疑惑報道…名誉毀損に該当するが誹謗目的はない」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
セウォル号沈没事故が発生した昨年4月16日当日の朴槿恵(パク・クネ)大統領の所在関連疑惑を報道した容疑で起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に17日、無罪が言い渡された。

ソウル中央地裁は情報通信網法上の名誉毀損容疑で起訴された加藤前支局長に対する1審宣告公判で「朴大統領に対する誹謗目的があると断定しがたい」とし、このように判決した。判決の最大の争点は、加藤前支局長が虚偽事実を取り上げたか、誹謗する目的があったか、これによって朴大統領の名誉が毀損されたかだった。

加藤前支局長は昨年8月3日、産経新聞電子版に「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」と題した記事を掲載した。この記事で「朴大統領がチョン・ユンフェ氏(60)と一緒にいた」という疑惑を提起し、2人が親しい男女関係であるかのように表現した。


裁判所はひとまず加藤前支局長が▼疑惑が虚偽という点を未必的ながら認識し▼「私人朴槿恵」の名誉を傷つけた点は認めた。裁判所は「青瓦台やチョン・ユンフェ氏側に事実を確認する努力なく記事を書き、朴大統領が事故の収拾に注力せず私的な出会いを持ったという趣旨が含まれ、当事者の社会的評価を阻害した」と明らかにした。

しかし裁判所は情報通信網法上の名誉毀損容疑の有罪と判断するための要件である「誹謗の目的性」は認めなかった。裁判所は「虚偽事実を書いたが、セウォル号沈没当時に大統領ではなかったとすれば記事を作成しなかったり問題になる表現を記載しなかったはず」とし「記事のあちこちに大韓民国の政治状況に対する評価が入っているという点を考慮すれば、『大統領』でない『私人朴槿恵』を誹謗する目的があるとは認めがたい」とした。また「加藤前支局長の記事は不適切な点があるが、民主主義社会で言論の自由の保護領域に含まれる」と明らかにした。

加藤前支局長はこの日、3時間ほど被告人席に立ち、「無罪」という主文が出ると口元に笑みを浮かべた。加藤前支局長は外信記者クラブで会見し、「公人中の公人である大統領に関する記事が気に入らないとして起訴する構図。この在り方は近代的な民主主義国家の姿としてどうなのだろうか。控訴することなく、今後私をこのまま自由の身にすべきではないかと考えている」と述べた。また「最近の韓国の言論の自由をめぐる状況については、憂慮すべき事態が発生しているのではないかと心配している」と述べた。

安倍首相は「無罪判決が出たことを評価」とし「日韓関係に前向きな影響が出てくることを期待したい」と述べた。これに先立ち韓国外交部は15日に「加藤前支局長の善処を望む日本側の要請があったので参酌してほしい」という立場を担当裁判所に伝えたことが、この日確認された。

検察は「判決文を慎重に検討した後、控訴するかどうか決める」と述べた。



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