映画『大虎(デホ)』は、日帝強制占領期間に朝鮮最高の猟師チョン・マンドク(チェ・ミンシク扮)と交わる朝鮮最後の虎をコンピュータグラフィックスで細やかに描き出した。(写真=CJE&M、NEW)
体重400キロ、体長3メートル80センチ、人の4倍ほどの顔に大きな傷跡を持った片目の虎。『大虎』がスクリーンで再現に成功した朝鮮の最後の虎の姿だ。智異山(チリサン)の山君と呼ばれた大虎が、すばしこい身振りで森の中を縫い歩き、自身の皮を取ろうとする日本軍と朝鮮猟師隊を制圧する場面では恐ろしい打撃感が客席にそのまま伝えられる。目つきはもちろん筋肉の動き一つひとつからも家族を失った悲しみや怒りなど霊物のような獣の感情が伝わる。このような大虎の姿は100%CGで作られ、結果は成功的という評価を受けている。
映画の核心的な情緒は、似たような心の傷を持った人間と獣の共感だ。ある理由のために銃を下ろして智異山の小屋で生きる朝鮮最高の猟師チョン・マンドク(チェ・ミンシク扮)、貪欲な人間によって家族を失った大虎の間で強烈ながらも切ないドラマが繰り広げられる。こうしたドラマのために最も重要な課題は、誰も見たことのない朝鮮虎をスクリーンに生き生きと蘇らせるということだった。
制作スタッフはうわさを頼りに探し回った末、釜山(プサン)のサムジョン・ザ・パーク動物園を訪れた。ここで雄のシベリアトラの動きと習性を研究して撮影しながら、CG作業のためのデータを蓄積した。ペンガルトラを実物のように描いたハリウッド映画『ライフ・オブ・パイ』(2012、アン・リー監督)制作スタッフやトラの専門家たちから助言も得た。ちょうど動物園で生まれた子トラは大虎の幼い時期と子供の姿を作り出すのに多いに役立った。
実体のない大虎を相手に俳優がどれほど写実的なリアクション演技をするのかもカギだった。このため制作スタッフは大虎が登場するすべてのシーンを3D動画コンテを見ながら撮影した。大虎役を演じたスタントマン出身のモーションアクターが、相手俳優のアクションだけでなく感情まで引き出した。大虎の感情がこもった鳴き声は、米国企業が録音して送ってきた実際のトラの声を編集した。パク・フンジョン監督は「観客が大虎に感情移入できるよう毛1本にいたるディテールまで修正に修正を繰り返した」と話した。
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