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【噴水台】法廷に立つ『帝国の慰安婦』=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朝鮮の王室図書館である奎章閣は、民族の誇りであり、残念な空間だ。32万点余りの資料の中には、歳月を経ても変わらず王の息遣いまでが記された『承政院(スンジョンウォン)日記』約3200本をはじめ、国宝『朝鮮王朝実録』などが含まれている。世界のどこにもこれほど膨大な記録はない。

惜しいのは、こうした宝物がまともに活用されていないということだ。以前「取り上げることもない本が多いのみならず、本格的に研究されたものも10%に過ぎない」というある史学者の嘆きを聞いたことがある。

それでも悲しむべきことはない。取り出せる秘話が無尽蔵だということではないか。どうであれ新しい事実が出てくれば評価は変わるはずだ。柔弱だったという高宗(コジョン)がまさにそうだ。彼が朝鮮の独立を主張して欧州に送った手紙が発見されながら再評価されている雰囲気だ。


不都合な話もないわけではない。小説『刃物の歌』の出版を機に、李舜臣(イ・スンシン)が女性をむさぼっていたという説が広がったのがその例だ。心配なのは過去の人物の過ちを扱った内容が出てくると、すぐ大騷ぎになるということだ。先祖に恥をかかせるとして子孫の告訴が相次いでいるのが明らかだ。無罪になるまで数カ月もかかっていたら商売にならない。このような境遇で、どのようにして仮面をかぶった親日派を探し出し歴史的真実を正しく立て直すのか。

偉人に対する悪口が出てくるのは外国も同じだ。米国人が最も尊敬しているアブラハム・リンカーンについての本は1万6000種余りに達する。この中には彼を大統領選挙を除いてすべての選挙で負けた性格破綻者として描いた本も少なくない。それでも誰も問題にしていない。

この頃、朴裕河(パク・ユハ)世宗(セジョン)大学教授の著書『帝国の慰安婦』をめぐる学問の自由論争が真っ最中だ。自分たちを「自発的な売春婦」として描写したと怒った元慰安婦女性たちが朴教授を告訴して結局、在宅起訴された。すると知識人190人余りは「学問と表現の自由を守らなければならない」として処罰反対の声明を2日に発表して論争が続いている。

元慰安婦女性たちとしては侮辱感を抱くだろう。だが公権力が朴教授を断罪しようとする世相が望ましいかどうかは別の次元のことだ。朴教授の主張を法廷ではない学問の場に持っていきそこで思う存分まで討論するのが正しいのではないか。

1970年代末、フランスの仏文学者ロベール・フォリソンが房「ユダヤ人を虐殺したというガス室はなかった」と書いて処罰を受けることになった。すると米国の代表的な知識人であるノーム・チョムスキーが助けに出た。自身がユダヤ人なのに。彼は当時このように力説した。「彼の主張が何であっても表現の自由は必ず守られなければならない」と。

ナム・ジョンホ論説委員



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