来年の世界経済に衝撃に与える「ブラックスワン」にブレグジット(Brexit=英国のEU脱退)、中国経済のハードランディング、グローバル景気沈滞の再発、米国の消費沈滞、米中央銀行(FRB)の利上げ遅延の5つが挙げられた。ブラックスワンとは、発生の可能性は低いが実際に発生すれば莫大な波及効果と衝撃をもたらす事件をいう。
◆中国のハードランディングなど波及効果大きい
フランスの投資銀行(IB)「ソシエテジェネラル」が最近発表した報告書「2016年世界経済を脅かすブラックスワンチャート」でこのように分析をしたと、ビジネスインサイダーなどが29日報じた。
ソシエテジェネラルが予測したブラックスワンのうち可能性が最も高いのはブレグジット(可能性45%)。英国政府はまだ具体的にEU脱退のための国民投票計画を持っていないが、来年7-9月期を最も有力な時期だと、この報告書は予想した。キャメロン英首相が支持率を上げ、ドイツなどEU側パートナーとの交渉でEU脱退カードを活用するという観測に基づく。最近のパリ同時多発テロ後、難民流入懸念が強まり、英国でも反EU情緒が強まっている。報告書は、英国がEUから脱退すればEU全体の分裂につながり、欧州経済全般に危機が近づく可能性があると懸念した。
中国経済のハードランディングも発生の可能性が比較的高い(30%)ブラックスワンに挙げられた。急激な資本流出と金融界の非収益与信増加、中国人民銀行の不十分な政策対応が信用収縮(クレジットクランチ)を招き、住宅需要の減少による不動産市場崩壊の危険が景気墜落の引き金になるというシナリオだ。報告書は特に中国ハードランディングは原材料輸出に依存する新興国の危機につながり、グローバル景気沈滞再発というもう一つのブラックスワンを招くおそれがあると指摘した。連鎖的なショックにつながるという警告だ。
米国をはじめとする先進国経済の消費不振(25%)もブラックスワンの一つだ。報告書は、先進国の経済回復は消費がカギを握っているとし、景気鈍化で可処分所得が減少し、今後の景気回復の不確実性が高まり、消費を減らせば、世界経済全体に負担を与えると指摘した。
報告書で最も目を引くシナリオはFRBの政策失敗によるブラックスワン出現の可能性だ。FRBが利上げを来年に先送りすれば、グローバル金融市場の不確実性が高まり、中央銀行リスクが浮き彫りになると予想した。ただ、来月の利上げ観測が支配的であり、実際に発生する可能性は10%程度と低く見ている。
◆BoA、サウジのドルペッグ廃止に言及
報告書は世界経済成長のためのシナリオも同時に提示した。各国の投資回復と貿易拡大(20%)、より積極的な財政拡大(15%)、迅速な改革推進(10%)などだ。こうした政策協調があれば世界経済のリスクを減らし、グローバル需要を促進できると、報告書は付け加えた。
ビジネスインサイダーは「ブラックスワンの定義は発生の可能性が低い事件だが、各シナリオの可能性が高く、矛盾しているという指摘があるが、この報告書は実際に発生すれば世界経済を衝撃に陥れることができる要因に焦点を合わせたものだ」と説明した。
バンク・オブ・アメリカ(BoA)は来年の原油市場のブラックスワンとして、石油輸出国機構(OPEC)内の最大産油国サウジアラビアの米ドルペッグ制放棄を挙げた。BoAは、国際原油価格が1バレル=30ドル未満に落ちればサウジの外貨準備高が毎月180億ドル減少するとし、これを避けるために過去30年間維持してきた自国通貨リヤルの米ドル連動を廃止する可能性があると予想した。
◆中国のハードランディングなど波及効果大きい
フランスの投資銀行(IB)「ソシエテジェネラル」が最近発表した報告書「2016年世界経済を脅かすブラックスワンチャート」でこのように分析をしたと、ビジネスインサイダーなどが29日報じた。
ソシエテジェネラルが予測したブラックスワンのうち可能性が最も高いのはブレグジット(可能性45%)。英国政府はまだ具体的にEU脱退のための国民投票計画を持っていないが、来年7-9月期を最も有力な時期だと、この報告書は予想した。キャメロン英首相が支持率を上げ、ドイツなどEU側パートナーとの交渉でEU脱退カードを活用するという観測に基づく。最近のパリ同時多発テロ後、難民流入懸念が強まり、英国でも反EU情緒が強まっている。報告書は、英国がEUから脱退すればEU全体の分裂につながり、欧州経済全般に危機が近づく可能性があると懸念した。
中国経済のハードランディングも発生の可能性が比較的高い(30%)ブラックスワンに挙げられた。急激な資本流出と金融界の非収益与信増加、中国人民銀行の不十分な政策対応が信用収縮(クレジットクランチ)を招き、住宅需要の減少による不動産市場崩壊の危険が景気墜落の引き金になるというシナリオだ。報告書は特に中国ハードランディングは原材料輸出に依存する新興国の危機につながり、グローバル景気沈滞再発というもう一つのブラックスワンを招くおそれがあると指摘した。連鎖的なショックにつながるという警告だ。
米国をはじめとする先進国経済の消費不振(25%)もブラックスワンの一つだ。報告書は、先進国の経済回復は消費がカギを握っているとし、景気鈍化で可処分所得が減少し、今後の景気回復の不確実性が高まり、消費を減らせば、世界経済全体に負担を与えると指摘した。
報告書で最も目を引くシナリオはFRBの政策失敗によるブラックスワン出現の可能性だ。FRBが利上げを来年に先送りすれば、グローバル金融市場の不確実性が高まり、中央銀行リスクが浮き彫りになると予想した。ただ、来月の利上げ観測が支配的であり、実際に発生する可能性は10%程度と低く見ている。
◆BoA、サウジのドルペッグ廃止に言及
報告書は世界経済成長のためのシナリオも同時に提示した。各国の投資回復と貿易拡大(20%)、より積極的な財政拡大(15%)、迅速な改革推進(10%)などだ。こうした政策協調があれば世界経済のリスクを減らし、グローバル需要を促進できると、報告書は付け加えた。
ビジネスインサイダーは「ブラックスワンの定義は発生の可能性が低い事件だが、各シナリオの可能性が高く、矛盾しているという指摘があるが、この報告書は実際に発生すれば世界経済を衝撃に陥れることができる要因に焦点を合わせたものだ」と説明した。
バンク・オブ・アメリカ(BoA)は来年の原油市場のブラックスワンとして、石油輸出国機構(OPEC)内の最大産油国サウジアラビアの米ドルペッグ制放棄を挙げた。BoAは、国際原油価格が1バレル=30ドル未満に落ちればサウジの外貨準備高が毎月180億ドル減少するとし、これを避けるために過去30年間維持してきた自国通貨リヤルの米ドル連動を廃止する可能性があると予想した。
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