先月21日、ソウル市は「炭酸飲料過多摂取による栄養素の摂取不均衡や肥満などを予防する」として公共機関や地下鉄など市民が利用する公共施設での炭酸飲料の販売を制限することにした。販売禁止品目はコーラやサイダーのような炭酸飲料と、食品類型上、炭酸飲料に分類されるホットシックスやレッドブルなどエネルギー飲料だ。今回の制限にはソウル市内の公共施設で直接運営されている自販機549台のうち320台が含まれ、委託で運営されている残りの自販機229台は来年から販売が制限される。
あわせて委託運営されているソウルメトロ1~4号線自販機245台、都市鉄道公社5~8号線自販機189台など合計434台は炭酸飲料を「健康飲料」に差し替えるよう勧告した。すべての地下鉄にある炭酸飲料自販機には「炭酸飲料摂取注意案内文」を掲示する予定だ。
消費者は混乱している。中央政府である食品医薬品安全処で許容している食品を地方政府が一部の流通を限定したことはあったが、販売を禁止するということはズレのある行政だ。政府の食品安全政策に対する不信につながる可能性もある。
自販機で炭酸飲料の販売を禁止する理由は、栄養素の摂取不均衡や骨粗しょう症、虫歯、脂肪肝などの原因になるからだとソウル市は明らかにした。だが、栄養素の不均衡は個人が食習慣で調節することであって政府が供給抑制政策で解決することはできない。食品の安全性に対する判断は許容または禁止を判断する事前許認可段階ですべきで、許容された食品に対して「たくさん食べろ、少なく食べろ」などのガイドラインを与えたり、総体的販売禁止でもないのに特定流通チャネルだけで販売を禁止したりするのは消費者を混乱させるだけで実効性はないと考える。
すべての食品は微量ではあるが毒性成分を持っており、また、いくら素晴らしい栄養素も摂り過ぎれば毒になる。炭酸飲料が与える消化促進、運動後のどの渇きの解消や低血糖時の糖分供給などの長所は横においたまま、消費者に不安な側面だけを強調して微々たる安全問題を大きな心配事にして不安を助長する「フードファディズム」を誘発させた。
事実、炭酸飲料の立場から見るとやりきれない部分がある。ソウル市が砂糖を約10%含有したコーラやサイダーなどの炭酸飲料の代案として提示したいわゆる健康飲料とされるものなどの砂糖含有量も炭酸飲料に比べて決して少なくないためだ。フルーツジュースは9~13%、ビタミン飲料と梅ジュースは約11%、アロエジュースは約10%の砂糖を含有している。糖分が問題ならば他の健康飲料もあわせて禁止にしなければならない。
その上、ソウル市の健康政策が支持を得るためには一貫性を維持しなければならない。炭酸飲料の自販機販売を禁止するほどなら、世界保健機関(WHO)が赤肉を発がん性物質に分類した時、ソウル市はソウル市内にある肉屋の営業を禁止してソウル市内における加工肉の販売禁止を命じるべきだった。
政府の炭酸飲料消費抑制政策が究極的な成功を収めるためには、安全性の問題提起による販売禁止など供給抑制政策を展開するのではなく、炭酸飲料の成分や健康に与える影響をキャンペーンを通じて消費者に啓蒙し、表示を読んで消費者自らが判断する習慣を持たせるようにして市場論理の自然な消費抑制政策を指向しなければならない。
ハ・サンド/中央(チュンアン)大学校食品工学部教授
あわせて委託運営されているソウルメトロ1~4号線自販機245台、都市鉄道公社5~8号線自販機189台など合計434台は炭酸飲料を「健康飲料」に差し替えるよう勧告した。すべての地下鉄にある炭酸飲料自販機には「炭酸飲料摂取注意案内文」を掲示する予定だ。
消費者は混乱している。中央政府である食品医薬品安全処で許容している食品を地方政府が一部の流通を限定したことはあったが、販売を禁止するということはズレのある行政だ。政府の食品安全政策に対する不信につながる可能性もある。
自販機で炭酸飲料の販売を禁止する理由は、栄養素の摂取不均衡や骨粗しょう症、虫歯、脂肪肝などの原因になるからだとソウル市は明らかにした。だが、栄養素の不均衡は個人が食習慣で調節することであって政府が供給抑制政策で解決することはできない。食品の安全性に対する判断は許容または禁止を判断する事前許認可段階ですべきで、許容された食品に対して「たくさん食べろ、少なく食べろ」などのガイドラインを与えたり、総体的販売禁止でもないのに特定流通チャネルだけで販売を禁止したりするのは消費者を混乱させるだけで実効性はないと考える。
すべての食品は微量ではあるが毒性成分を持っており、また、いくら素晴らしい栄養素も摂り過ぎれば毒になる。炭酸飲料が与える消化促進、運動後のどの渇きの解消や低血糖時の糖分供給などの長所は横においたまま、消費者に不安な側面だけを強調して微々たる安全問題を大きな心配事にして不安を助長する「フードファディズム」を誘発させた。
事実、炭酸飲料の立場から見るとやりきれない部分がある。ソウル市が砂糖を約10%含有したコーラやサイダーなどの炭酸飲料の代案として提示したいわゆる健康飲料とされるものなどの砂糖含有量も炭酸飲料に比べて決して少なくないためだ。フルーツジュースは9~13%、ビタミン飲料と梅ジュースは約11%、アロエジュースは約10%の砂糖を含有している。糖分が問題ならば他の健康飲料もあわせて禁止にしなければならない。
その上、ソウル市の健康政策が支持を得るためには一貫性を維持しなければならない。炭酸飲料の自販機販売を禁止するほどなら、世界保健機関(WHO)が赤肉を発がん性物質に分類した時、ソウル市はソウル市内にある肉屋の営業を禁止してソウル市内における加工肉の販売禁止を命じるべきだった。
政府の炭酸飲料消費抑制政策が究極的な成功を収めるためには、安全性の問題提起による販売禁止など供給抑制政策を展開するのではなく、炭酸飲料の成分や健康に与える影響をキャンペーンを通じて消費者に啓蒙し、表示を読んで消費者自らが判断する習慣を持たせるようにして市場論理の自然な消費抑制政策を指向しなければならない。
ハ・サンド/中央(チュンアン)大学校食品工学部教授
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