「鶏を裁くのに牛を裁く刃物を使う」という言葉もあるが、サッカー韓国代表のシュティーリケ監督（６１、ドイツ）は格下の相手にも油断をしなかった。牛を裁く刃物を適切に使い、韓国に痛快な勝利をもたらした。特に「シュティーリケ号のマスターキー」奇誠庸（キ・ソンヨン、２６、スウォンジーシティ）が「単身軍団」ミャンマー（ミャンマーベスト１１の平均身長は１７１センチ、韓国は１８４センチ）撃破を陣頭指揮した。

サッカー韓国代表（ＦＩＦＡランキング４８位）は１２日、水原（スウォン）Ｗ杯競技場で行われた２０１８年ロシアワールドカップ（Ｗ杯）アジア２次予選Ｇ組第５戦でミャンマー（１６１位）に４－０で完勝した。韓国は前半１８分に李在成（イ・ジェソン、２３、全北）、前半３０分に具滋哲（ク・ジャチョル、２６、アウクスブルク）、後半３７分に張賢秀（チャン・ヒョンス、２４、広州富力）、後半４１分に南泰煕（ナム・テヒ、２４、レフウィヤ）がゴールを決めた。

韓国は２次予選５戦全勝（１８得点、無失点）でＧ組トップ。８組に分かれて行われる２次予選は各組１位の８チームと２位の上位４チームの計１２チームが最終予選に進出する。


シュティーリケ監督は攻撃に焦点を合わせた４－１－４－１フォーメーションを組んだ。奇誠庸が短いパスの代わりに正確なロングパスを入れ、ミャンマーの短身フォーバック（１６７センチ２人、１７５センチ２人）を揺さぶった。

奇誠庸は前半１８分、ハーフラインあたりから定規で測ったように４０メートルほどのロングパスを入れた。このパスを右ウイングの李在成（イ・ジェソン）がゴール前で胸トラップした後、左足でゴールネットを揺らした。今季イングランドプレミアリーグでパス成功率３位（９１．５％）の奇誠庸の真価が表れた場面だった。前半３２分には奇襲的にミドルシュートを放ち、ミャンマーのＧＫを驚かせた。正確なパスで韓国の攻撃を主導する奇誠庸が憎かったのか、後半１８分、ミャンマーのチョ・ミン・トゥンがこっそりとヒジで奇誠庸の腹部を攻撃する場面が見られたりもした。

奇誠庸は２０代前半まで思慮分別に欠けるところがあった。２０１３年７月にはＳＮＳで当時のチェ・ガンヒ代表監督（５６）をからかったりもした。同年８月に女優ハン・ヘジン（３４）と結婚し、奇誠庸が変わり始めた。９月１３日に娘シオンが生まれた「家長」奇誠庸はグラウンドでも成熟したという評価を受けている。韓国代表の主将として１月の豪州アジアカップでは準優勝に貢献し、昨季はスウォンジーシティの「今年の選手」に選ばれた。



＜Ｗ杯サッカー＞韓国、ミャンマーに４－０勝利…２次予選５戦全勝（２）