簡単に頭にきたりする。多血質かもしれない。それに関する嘲笑されそうなエピソードだ。
今年、欧州のある空港でのことだ。搭乗手続中に飛行機が1時間ほど遅延出発になるという話を聞いた。格安航空(LCC)会社を利用したコストだと感じた。実際に出発するべきだった時刻に運航がキャンセルになったという案内が出てきた。乗り場を抜け出し荷物を探すのに東奔西走しなければならなかった。やっと担当職員に会ったのは、それからさらに1時間後の午後10時だった。
ふたは開かれるだけ開かれて宇宙にまで飛んで行ったような状態だった。「一番先に出発する飛行機に乗る」と要求したところ職員が気乗りのしない感じで「席はない」と言った。声を荒げた。同僚の「被害者」たちがチラチラと見て、こそこそと避けた。かんしゃくを起こしたのは私だけだった。
翌日午後、代替航空便は私と同じようにあきれたことを体験した乗客たちが乗った。何か変わっているべきだった。この頃の言葉で「全体を見て分かる気配」というのがなければならなかった。なかった。乗客はずっと「ありがとう」と言っていた。私はずっとふくれっ面をしていた。彼らと比べれば私は怒り調節障害の患者だった。
理性的に見れば、不便だったが怒るまでのことではなかった。運航する条件でなければ、運航しないのほうが安全だった。航空会社としては損害を甘受して出した決定だった。直ちに代替航空便を飛ばせば良かったが格安航空会社に期待することではなかった。職員が該当航空会社所属でも、たとえそうだとしてもキャンセル決定をした者でもなかった。今後、航空会社に対し不便についての補償だけ要求すれば良かった。それでも私は怒った。
近ごろエジプトのシャルム・エル・シェイクで2万人余りの英国人が足止めを食らった。ロシア旅客機の墜落4日後に英国政府が出発地だったここからの運航を全面的に中断したからだ。初めは格別の説明なしに安全のためだといった。次第に爆弾テロへと固まっていった。ついに3日後に特別機だとして飛ばしたが当初20便だといっていたのに実際に運航したのは8便だけだった。送る荷物は載せることもできなかった。現場は混線・混乱・恐怖で大変なことになっていただろう。数多くの「私」がいたかもしれない。
実際英国に到着してBBCカメラの前に立った人々は冷静だった。「キャメロン首相が安全のために正しい決定をした。ただし現地の領事サービスは不十分だった」という趣旨で話した。
予防した事故は事故ではない。安全措置の成果は体感することもできない。むしろ現実では「安全措置=不便措置」とだけ感じられる。それでもそれを甘受して理解してこそ決定権者が躊躇なしに安全を最優先できる。多血質である私はそんなことができるのか自信がなかった。皆さんはどうだろうか。
コ・ジョンエ ロンドン特派員
今年、欧州のある空港でのことだ。搭乗手続中に飛行機が1時間ほど遅延出発になるという話を聞いた。格安航空(LCC)会社を利用したコストだと感じた。実際に出発するべきだった時刻に運航がキャンセルになったという案内が出てきた。乗り場を抜け出し荷物を探すのに東奔西走しなければならなかった。やっと担当職員に会ったのは、それからさらに1時間後の午後10時だった。
ふたは開かれるだけ開かれて宇宙にまで飛んで行ったような状態だった。「一番先に出発する飛行機に乗る」と要求したところ職員が気乗りのしない感じで「席はない」と言った。声を荒げた。同僚の「被害者」たちがチラチラと見て、こそこそと避けた。かんしゃくを起こしたのは私だけだった。
翌日午後、代替航空便は私と同じようにあきれたことを体験した乗客たちが乗った。何か変わっているべきだった。この頃の言葉で「全体を見て分かる気配」というのがなければならなかった。なかった。乗客はずっと「ありがとう」と言っていた。私はずっとふくれっ面をしていた。彼らと比べれば私は怒り調節障害の患者だった。
理性的に見れば、不便だったが怒るまでのことではなかった。運航する条件でなければ、運航しないのほうが安全だった。航空会社としては損害を甘受して出した決定だった。直ちに代替航空便を飛ばせば良かったが格安航空会社に期待することではなかった。職員が該当航空会社所属でも、たとえそうだとしてもキャンセル決定をした者でもなかった。今後、航空会社に対し不便についての補償だけ要求すれば良かった。それでも私は怒った。
近ごろエジプトのシャルム・エル・シェイクで2万人余りの英国人が足止めを食らった。ロシア旅客機の墜落4日後に英国政府が出発地だったここからの運航を全面的に中断したからだ。初めは格別の説明なしに安全のためだといった。次第に爆弾テロへと固まっていった。ついに3日後に特別機だとして飛ばしたが当初20便だといっていたのに実際に運航したのは8便だけだった。送る荷物は載せることもできなかった。現場は混線・混乱・恐怖で大変なことになっていただろう。数多くの「私」がいたかもしれない。
実際英国に到着してBBCカメラの前に立った人々は冷静だった。「キャメロン首相が安全のために正しい決定をした。ただし現地の領事サービスは不十分だった」という趣旨で話した。
予防した事故は事故ではない。安全措置の成果は体感することもできない。むしろ現実では「安全措置=不便措置」とだけ感じられる。それでもそれを甘受して理解してこそ決定権者が躊躇なしに安全を最優先できる。多血質である私はそんなことができるのか自信がなかった。皆さんはどうだろうか。
コ・ジョンエ ロンドン特派員
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