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<目前に迫る『シルバーコリア』>(中)「高齢者の両極化」最も大きな社会問題に

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「62万ウォンvs340万ウォン」。

2015年を暮らしているある2人の高齢者の1カ月の所得だ。退職後に働かず余生を送っている2人の所得格差は、何と5倍を超える。65歳以上の高齢層割合が急増する中で経済的に困窮する高齢者と余裕のある高齢者間の所得の両極化は一層激しくなるものと展望されている。全く違う老後を送っている高齢者3人に会った。

◆「40年吸ってきたたばこもやめた」


ソウル鍾路区(チョンノグ)に住むハン・ギソンさん(73、仮名)は最近たばこをやめた。40年以上一日1箱ずつ吸っていた愛煙家だったが、たばこの値段が4500ウォンに上がって懐事情が喫煙に耐えられなくなったのだ。ハンさんは多世帯住宅(家賃30万ウォン、約3万2000円)の狭い部屋が息苦しくて、寝る時以外はほとんど外で過ごす。朝食を抜いて福祉館で提供される昼食を食べたら公園で時間を過ごす。夕方は1食7000ウォンほどの飲食店やソルロンタン屋で済ませる。

毎月ハンさんが手にするお金は基礎年金など計62万ウォン。最近病気がちなのとうつ病などで薬代が出て行きながら生活は一層ギリギリになった。彼は事業に手をつけるたびに失敗してすっからかんになった。妻と離婚したのに続き15年前からは子供とも連絡が途切れた。ハンさんは「趣味生活も余裕のある高齢者同士がすることだね…この頃どんどん孤独だという思いで憂鬱だ」と語った。

◆「残りの人生楽しみ、施して生きなければ」

チョン・ミョンウンさん(72、仮名)は最近、週末ごとの自家栽培に夢中だ。ソウル郊外に別荘を買っておいたチョンさんは妻(67)と一緒にカボチャ・サツマイモなどを育てて休日を過ごす。高校の校長をつとめたチョンさんは退職年金を含めて月340万ウォンを受けとる。

チョンさんは退職後、年に3、4回は海外旅行に出かけている。時々知人たちとゴルフの集まりも持つ。4年前からは寄付団体を通じて貧困国の子供たちに毎月20万ウォンずつ送っている。そうやって暮らしていても1カ月に60万ウォンほど貯蓄できる。チョンさんは「若い頃にできなかった趣味や旅行を思う存分やってボランティア活動をするのが余生の目標」といった。

◆退職金に融資まで受けて飲食店開いたが…

製造会社で24年間働いて10年前に退職したチョ・ハンソプさん(67、仮名)。チョさんは退職金9000万ウォンにそれまで貯めておいたお金、融資まで合わせて京畿道利川(キョンギド・イチョン)に焼き肉店を構えた。妻まで助けてくれたが売り上げは思わしくなかった。人件費や材料値などを差し引いたら残るお金は月120万ウォン余り。チョさんにとって「老後の余裕」は贅沢だ。チョさんは「職場に通っていた時さえも中産層という安堵感があったが、年を取るほど人生が世知辛くなっている感じ」と話した。

この3人の現実は今後の韓国社会の両極化がどのように進むのかを予告している。国内の65歳以上の高齢者たちの相対的貧困率は日がたつにつれ高まっている状況だ。2006年に52.3%だった相対的貧困率は2014年には62.5%に増えた。今年、基礎生活受給者の中で65歳以上の高齢者は37万9000人(30.6%)で史上初めて30%ラインを突破した。

チョン・イクチュン梨花(イファ)女子大学社会福祉学科教授は「高齢者比率が30%を超える2040年には生産可能人口(15~64歳)の両極化よりも高齢者間の『新両極化』がより大きな社会的問題として台頭する可能性が高い」と診断した。



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