国会外交統一委員会〔羅卿ウォン（ナ・ギョンウォン）委員長〕の議員１６人ら５８人が２日、開城（ケソン）の満月台（マンウォルデ）を訪問してきた。満月台は高麗（コリョ）の旧王宮の跡地で２０１３年ユネスコの世界遺産に指定された場所だ。２００７年から南北が共同で遺物発掘を進めている所でもある。

羅卿ウォン委員長ら北朝鮮訪問団はこの日午前９時１０分ごろ、軍事境界線（ＭＤＬ）を越えた。新政治民主連合のキム・ハンギル議員がイスラム教に関する本を持っていると北側が「少しの間保管して戻す」と言ったこと以外は、北朝鮮訪問証と持ち物検査はそれほど難しくなかったという。開城現地では北朝鮮の民族和解協力汎国民協議会（民和協）の関係者２０人余りが案内要員として出てきた。国会常任委レベルの北朝鮮訪問は２０１３年の開城工業団地の現場国政監査以来２年ぶりだ。

新政治連合の元恵栄（ウォン・ヘヨン）議員は「かつて開城工業団地で国政監査をした時よりもはるかに包容的な感じを受けた」として「平壌（ピョンヤン）から随行のために来たという案内要員も隣の席に座って親切に案内してくれたのが印象的だった」と話した。


南北が共同発掘した満月台の遺物は、高麗成均館（ソンギュングァン、軽工業専門家を育成する北朝鮮の大学）に展示された。元議員は「北朝鮮当局がわざわざ遮断したのかどうか分からないが、高麗成均館には内外国人観光客はほとんどいなかった」として「案内要員も忠実に案内だけしていた」と伝えた。

北朝鮮訪問団は遺物を観覧した後「開城民俗旅館」で北側が提供したカボチャ栄養ご飯を昼食にした。北側は「高麗時代の両班（ヤンバン）が食べた１１品御膳」と紹介した。晩酌のお酒として「大同江（テドンガン）ビール」と開城特産品である「松鶴（ソンハク）焼酎」も上がった。「今回のことを契機に南北交流がうまくいかなければならない」（南側）、「会う機会が増えるべきだ」（北側）という乾杯の辞が行き交い雰囲気がなごむと北側要員は南北観光事業への期待感も見せたという。

羅委員長が「開城旅館を見学できるかと尋ねると北側が施設を見せてくれ積極性を示していた」と話した。以下は羅委員長と案内要員とのやりとり。

▼北側要員＝「開城にたくさんいらしてください。頻繁に行ったり来たり往来しましょう」

▼羅委員長＝「私たちもたくさん来ますから皆さんも来てください」

▼北側要員＝「私たちの心が楽しく動かされるようにしてくれなければいけないのではないですか。必ず再びお目にかかることを願います」

北朝鮮訪問団は王建陵の観覧を終えて午後３時４０分ごろ南側に戻った。羅委員長は「今後、予算を積極的に反映して満月台だけでなく平壌や非武装地帯（ＤＭＺ）にも共同発掘を拡大していこうということで与野党の議員が共感した」と語った。野党幹事である沈載権（シム・ジェグォン）議員も「北側が関係改善への誠意を十分に見せた」として「常任委レベルの北朝鮮訪問団を受け入れたこと自体が誠意の表れ」と話していた。