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年間4万隻通過する貿易路、南シナ海を掌握してこそ覇権

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
G2(米国・中国)の南シナ海パワーゲームが本格化している。米国が27日、海軍イージス駆逐艦「ラッセン」を、中国が南シナ海に建設中の人工島12カイリ(約22.2キロ)内で航行させたからだ。

今回の衝突で南シナ海を勢力圏にしようとする中国と世界制海権を維持しようとする米国の間の「ホットピース(Hot Peace)」時代に入ったという分析が出ている。「ホットピース」とは冷戦(Cold War、1945-90)の相対概念だ。冷戦当時は全世界レベルの主導権競合があったが、「ホットピース」は地域的には直接衝突するが世界的に広がらず、理念対決ではなく経済的な利益を貫徹しようとする。

28日、中国南海艦隊ミサイル部隊がミサイル攻撃および総合防御訓練を始めたことが伝えられ、一触即発の緊張局面が形成されたりもした。この日、物理的な衝突はなかった。しかしカーター国防長官が「『作戦』は数週間から数カ月間続くだろう」と述べ、事態は長期化する可能性が高まった。米国は今回の作戦が中国の領有権を侵害するのではなく「航行の自由」レベルであることを強調している。


中国外務省の陸慷報道官は27日、「いかなる国の挑発に対しても中国は断固対応し、必要なあらゆる措置を取る」と明らかにした。ロイター通信はこの日、米国防総省の関係者を引用し、「ラッセンは中国が領有権を主張する南沙諸島のスービ礁(中国名・渚碧礁)の12カイリ内に入ったのに続き、ベトナム・フィリピン・台湾が領有権を主張している暗礁の12カイリ内でも航行した」と明らかにした。「特定の国(中国)を狙ったものではない」(国務省カービー報道官)という点を強調するための措置だ。AFP通信も「米軍がラッセン以外の軍艦を追加で派遣する計画」と報じた。

しかし専門家は今回の衝突が全面戦争や局地的交戦につながる可能性は低いとみている。海洋専門機関AMTIのグレッグ・フォリング研究員は「中国軍の戦力が米国に劣るうえ、中国人工島は満潮時に浸水し、国際法的に人工島12カイリ以内を航行する米軍艦を武力で阻止する根拠が弱い」と述べた。

一方、オバマ大統領が今回の作戦を決めたのは中国の人工島建設を実際に阻止するためというより、南シナ海、さらにアジア全体をめぐる覇権争いの性格だという指摘も多い。

年間およそ4万隻の船が通過する世界2番目の貿易航路であり巨大オイルルートの南シナ海を誰が掌握するかは、両国覇権競争の勝負どころとなるしかない。米国内では「オバマの動きがあまりにも遅かった」(ジョン・マケイン上院軍事委員長)という指摘が出ている。ジョン・ハムレ米戦略国際問題研究所(CSIS)所長は「米大統領選挙が本格化するほど(候補間で)中国に対する強硬論が激しく出てくるだろう」と予想した。駆逐艦を派遣しても状況が全く変わらない可能性が高く、その場合、オバマ大統領は「新しい対応」を要求されるという分析だ。その時に本当の衝突危機を迎えるという指摘が出ている。



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