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【グローバルアイ】ヒラリー・金鍾泌・朴槿恵の「一撃」メッセージ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
今月22日午前10時、米国ワシントンの連邦下院ロングウォールスビル1100号。

3年前、リビアのベンガジ米国領事館襲撃事件で米国外交官4人が亡くなった事件をめぐり、ヒラリー・クリントン当時国務長官の責任を追及する公聴会が開かれた。現場を訪れたが、人員制限で公聴会場の中には入ることもできなかった。だが「おかげで」会議場の外の廊下で一緒にスマートフォンで実況中継を見ていた米国取材陣から「ヒラリー評」を聞くことことができたのは収穫だった。彼らは「共和党議員10人が束になってもヒラリー1人にはかなわない」と断言した。理由は簡単だった。表情や息づかい、緻密な単語駆使、メッセージの伝達力のレベルが違うということだった。

午後0時55分ごろ、その「一撃」が出てきた。


「ベンガジ事件当時、私はさまざまなな考えに、ここにいらっしゃる皆さん(=公聴会議員)全員を合わせた以上に眠りにつくことができませんでした。ここにいる皆さんの悩みをすべて合わせた以上に私は深く悩み、そして非常に苦しみました」。11時間にわたる同日のマラソン公聴会は事実上、この一言で勝負が出た。

振り返ってみると、われわれにも似たような場面があった。

私が東京特派員時代だった2005年6月3日。金鍾泌(キム・ジョンピル)元首相が韓日国交正常化40周年を迎えて保守紙・読売新聞が主催した講演で投げかけた一言は圧巻だった。当時、韓日関係は独島(ドクト、日本名・竹島)や歴史教科書問題で盧武鉉(ノ・ムヒョン)当時大統領が「国民への言葉」を発表するなど一触即発の状況だった。慰安婦問題が核心である今とは事案だけが違うだけで緊張度は似ていた。

「今年、日本人は日露戦争勝利100周年を記念していますが、韓国人には高宗(コジョン)の皇后である閔妃が日本の三浦公使一党に惨殺されて110年なる年です。さあ、こうしたことが日本皇宮で起きたと想像してみてください。そうすれば韓国人が胸に抱いている歴史的な怒りがどれほど深いか推察できることでしょう」。

この一言で経団連会議場を埋めた1000人余りの政・官・財界人たちは水を打たれたように静かになった。この発言は当時どの日本メディアからも報道されることはなかった。いや、できなかっただろう。ただ、読売が1週間後の特集記事の冒頭で「金氏の発言の中に日本人の耳が痛くなるものもあった。だが、それを身じろぎもせずに傾聴する聴衆の姿が印象的だった」と書いていたことが記憶に残っている。報道はできなかったが、それほど胸に突き刺さったからだろう。金鍾泌の「一撃」は短いが核心を突き痛烈だった。

来週初めに韓日首脳会談が開かれるという。朴槿恵(パク・クネ)外交の分岐点だ。日本の安倍晋三首相は上手(うわて)だ。近づくように見えて離れ、離れるように見えて近づく。朴槿恵式の教科書外交では相手にするのが難しいかもしれない。いや、関係がさらに悪化する可能性もある。それでも「なぜ私のことをあの女、この女というように言ったのですか」(訳注)というストレート過ぎる話法でも困る。洗練されながらも安倍や日本人の感性を巧妙に刺激する「一撃」メッセージが切実だ。勝負はそこで分かれるだろう。そしてその答えは明らかにある。

注:最近、朴大統領が野党幹部との会合の時にこの幹部の過去の発言について「なぜ私のことをあの女、この女というように言ったのか」と聞いたことをかけたものを思われる。

金玄基(キム・ヒョンギ)ワシントン総局長



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