孫炳斗(ソン・ビョンドゥ)韓国先進化フォーラム会長(74)は、この頃の言葉でいうスペック(Spec)が華やかだ。彼の経歴を見ると、財界(全経連常勤副会長)はもちろん教育界〔西江(ソガン)大学総長〕、言論界〔KBS(韓国放送公社)理事長〕、宗教界(天主教一般信者使徒職協議会長)など活動領域や関心分野が幅広い。1988年の東西経済研究所代表理事を皮切りに27年間も数多くの機関や団体のトップをつとめてきた。李秉チョル(イ・ビョンチョル)サムスングループ会長の秘書室で10年間働いた彼は昨年5月、湖巌(ホアム)財団理事長に就任した。83年にサムスンを離れ31年ぶりの復帰だった。金大中(キム・デジュン)政権時期に「朴正煕(パク・チョンヒ)大統領記念事業会」発足当時の民間基金の募金の先頭に立った縁で2013年8月、朴正煕大統領記念財団の第2代理事長になった。政界からのラブコールが数回あったが応じなかった。
統一経済研究協会の理事長をつとめて統一にまで関心分野を広げた彼に会って、各種懸案についての見解を聞いた。朴槿恵(パク・クネ)政権が任期の後半期に入ったことについて彼は「歴代大統領は例外なく任期末に支持率が下がった」として「朴槿恵政権が労働改革をはじめ4大改革をしっかりと推進して経済を生かせば史上初めて国民の拍手を受けながら離れる大統領になれる」と助言した。
--財界の重鎮でありながら統一問題に格別に関心が高い理由は。
「韓国・北朝鮮が払っている分断コストが途方もなく多い。現状維持コストが統一コストよりもはるかに大きい。これを統一後の北朝鮮再建コストに回して使えば大きな利益になりうる。韓国の5000万人と北朝鮮の2400万人を合わせてドイツと似たような人口8000万人の統一国家になれば、自らの内需市場が大きくなり、経済自立度が高まって成長の限界を突破できる。ただし武力統一は不可能で、平和統一だけが唯一の道だ。韓国体制の優越性が証明されただけに、これを受け入れるよう北朝鮮当局と住民を説得することが重要だ。そのような過程で、私達が知らない間に統一が訪れるはずだ。今、統一基金を集めることが重要なのではない。統一以後の体制について韓国だけでも国論統一を成し遂げることが急務だ。自由民主主義と市場経済システムを備えた統一国家を作らなければならない」
--韓国の資本・技術を北朝鮮の資源・労働力と結合すれば「統一テバク論(テバク=bonanza、大もうけ/大当たり)」が可能だろうか。
「北朝鮮が国境と市場を開放して韓国・北朝鮮の『3通(通行・通信・通関)』を許容し、実質的な市場経済体制の道に入るならば十分に可能だ。北朝鮮の人材と資源を利用でき、北朝鮮の立ち遅れたインフラの建設投資が許されるならば、韓国経済のブルーオーシャン(Blue Ocean)が生まれる。ただし北朝鮮当局がこれを受け入れるかは未知数だ。韓国・北朝鮮の交流と協力が積み重なることが統一へ向かう道だ」
--産業化世代は貧困と試練を克服して「漢江(ハンガン)の奇跡」を成し遂げたが。
「今年は光復(解放)70周年だが、私自身も解放直後にお腹がすかせて松の皮をむいて育った。故郷で晋洲(シンジュ)中学校を卒業した後、上京して景福(キョンボク)高に入学した。医師になりたかったが授業料がなくてカトリック大学医大に通えなかった。浪人した末にソウル大学経済学科に進学した。医師は1人の命を助けるが、国を富強にして国民皆を救うという考えで経済学を選択した。私たちの世代は本当に一生懸命に生きていた」(中央SUNDAY第448号)
「大学に自由許さない限り、韓国からノーベル賞受賞者出ない」(2)
統一経済研究協会の理事長をつとめて統一にまで関心分野を広げた彼に会って、各種懸案についての見解を聞いた。朴槿恵(パク・クネ)政権が任期の後半期に入ったことについて彼は「歴代大統領は例外なく任期末に支持率が下がった」として「朴槿恵政権が労働改革をはじめ4大改革をしっかりと推進して経済を生かせば史上初めて国民の拍手を受けながら離れる大統領になれる」と助言した。
--財界の重鎮でありながら統一問題に格別に関心が高い理由は。
「韓国・北朝鮮が払っている分断コストが途方もなく多い。現状維持コストが統一コストよりもはるかに大きい。これを統一後の北朝鮮再建コストに回して使えば大きな利益になりうる。韓国の5000万人と北朝鮮の2400万人を合わせてドイツと似たような人口8000万人の統一国家になれば、自らの内需市場が大きくなり、経済自立度が高まって成長の限界を突破できる。ただし武力統一は不可能で、平和統一だけが唯一の道だ。韓国体制の優越性が証明されただけに、これを受け入れるよう北朝鮮当局と住民を説得することが重要だ。そのような過程で、私達が知らない間に統一が訪れるはずだ。今、統一基金を集めることが重要なのではない。統一以後の体制について韓国だけでも国論統一を成し遂げることが急務だ。自由民主主義と市場経済システムを備えた統一国家を作らなければならない」
--韓国の資本・技術を北朝鮮の資源・労働力と結合すれば「統一テバク論(テバク=bonanza、大もうけ/大当たり)」が可能だろうか。
「北朝鮮が国境と市場を開放して韓国・北朝鮮の『3通(通行・通信・通関)』を許容し、実質的な市場経済体制の道に入るならば十分に可能だ。北朝鮮の人材と資源を利用でき、北朝鮮の立ち遅れたインフラの建設投資が許されるならば、韓国経済のブルーオーシャン(Blue Ocean)が生まれる。ただし北朝鮮当局がこれを受け入れるかは未知数だ。韓国・北朝鮮の交流と協力が積み重なることが統一へ向かう道だ」
--産業化世代は貧困と試練を克服して「漢江(ハンガン)の奇跡」を成し遂げたが。
「今年は光復(解放)70周年だが、私自身も解放直後にお腹がすかせて松の皮をむいて育った。故郷で晋洲(シンジュ)中学校を卒業した後、上京して景福(キョンボク)高に入学した。医師になりたかったが授業料がなくてカトリック大学医大に通えなかった。浪人した末にソウル大学経済学科に進学した。医師は1人の命を助けるが、国を富強にして国民皆を救うという考えで経済学を選択した。私たちの世代は本当に一生懸命に生きていた」(中央SUNDAY第448号)
「大学に自由許さない限り、韓国からノーベル賞受賞者出ない」(2)
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