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理論より実証重視、女性受賞者増加…「ノーベル賞が変わった」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
世界最高の知性を象徴するノーベル賞受賞者選定基準が時代の流れなどを反映して変わっている。最近では理論中心から脱し、現実と組み合わせた研究成果にノーベル委員会が注目しているという分析だ。女性受賞者比率が高まって、受賞者の国籍も多様化する傾向だ。

近年の受賞者を調べるとノーベル経済学賞の関心は実証的な分析を通じて全世界が直面した経済的難関を解いていく方向に焦点が合わせられている。金融規制と企業間の力学関係研究で昨年ノーベル経済学賞を受賞したフランス・トゥールーズ第1大学のジャン・ティロール教授とゲーム理論を市場設計に組み合わせて2012年受賞者に選ばれた米国スタンフォード大学のアルヴィン・ロス教授などが代表的だ。

2003年以来10年ぶりに2013年受賞者を輩出した計量経済学分野でも株式および債権、住宅市場価格予測モデルを研究したユージン・ファーマ、シカゴ大学のラース・ピーター・ハンセン教授とイェール大学のロバート・シラー教授が受賞した。


2010年には経済政策が失業に及ぼす影響などを研究した労働経済学の大家であるマサチューセッツ工科大学(MIT)のピーター・ダイヤモンド教授など3人に授けられた。

一方、開発経済学分野は1979年以降受賞者を輩出できておらず、経済成長論や経済史分野もノーベル賞から遠ざかって久しい。効率的な資源配分と一般均衡理論などのマクロモデルも2000年以降ノーベル賞の注目を受けられずにいる。

1970~1990年代のノーベル経済学賞の常連受賞分野であったマクロ経済学も2000年以降ノーベル賞と縁がなかったがコロンビア大学のエドムンド・フェルプス客員教授がインフレーションと失業の相反関係を実証的に研究した功労で2006年に受賞し、命脈をつないだ。

科学分野のノーベル賞は研究成果が出た後、受賞までにかかる時間がますます長くなる傾向にある。世界中に多くの研究結果があふれているうえ、理論を証明するのもますます難しくなっているためだという解釈だ。1933年のノーベル物理学賞受賞者であるポール・ディラックは26歳に発表した量子力学研究で31歳に受賞した。反面、ピーター・ヒッグスは1964年にヒッグス粒子の存在を予測したが証明が難しく、2013年に物理学賞を受けることができた。ニュートリノが質量を有していることを証明して今年ノーベル物理学賞を受けた日本の東京大学の梶田隆章教授は師匠の小柴昌俊東京大学名誉教授(2002年ノーベル物理学賞受賞者)の研究を受け継いで実を結んだ。

ノーベル経済学賞だけでなく6部門をあわせた受賞者の国籍を調べると、ますます「米国傾倒」の現象が目立つ。2005年から昨年までのノーベル賞受賞者112人を出生国家別に分析した結果、米国が45人で40.1%を占めている。1901年以後昨年までノーベル賞を受賞した871人全体をおいてみれば米国人の比重は29.5%(257人)で10人中3人の割合だった。

反面、ドイツやフランス、英国など欧州国家出身の受賞者の比重は小さくなっている。ノーベル賞受賞者全体の中で欧州国家出身者の比重は319人で全体817人のうち36.6%を占めているが最近10年間は25.0%(28人)、最近5年間は22.4%(13人)と大きく落ちた。ただし最近になって国家別多様性は広がる傾向にある。パキスタン(ノーベル平和賞)は昨年、ペルー(ノーベル文学賞)は2010年に77カ国のノーベル賞受賞国家の隊列に合流した。

女性のノーベル賞受賞者は全体46人で5%に過ぎないが、比率は急速に高まっている。



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