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【社説】ゾンビ企業を生かしてTPP時代に対応できるのか=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
朴槿恵(パク・クネ)大統領は昨日の国民経済諮問会議で「韓国経済の中長期的な方向を左右するグローバル経済の大きな枠が変わっている」とし「非常な認識と覚悟」を求めた。米国の利上げと中国経済減速という主要2カ国(G2)のリスクが浮き彫りになり、環太平洋経済連携協定(TPP)で経済と貿易の基準が変わっている状況を指摘したのだ。このため「外部の変化に効果的に対応できる体制に経済構造を変える必要性」も強調した。

大統領が強調したように構造改革は韓国経済の生存のための必須課題だ。政府と与党もこれを名分に公共部門改革と労働改革に力を注いでいる。しかし韓国経済の慢性病であり産業構造改編の核心であるゾンビ企業問題を解決しなければ、経済改革の効果は望めない。信用保証基金が国会に提出した資料によると、10年以上も信用保証基金の長期保証を受けている中小企業は8月末基準で3741社、保証金額は2兆4000億ウォン(約2400億円)にのぼる。このうち20年以上も保証を受けている企業が600社、30年以上も6社だ。中小企業支援のための政策金融が慢性的限界企業の「ゾンビ企業」を延命させる手段に歪曲されているのだ。

大企業も状況は変わらない。韓国銀行(韓銀)によると、営業収益で利子も返せない企業が昨年末、企業全体の15.2%の3295社だった。このうち10年間にわたり限界企業に出入りする企業も73.9%にのぼる。大企業の6社に1社がゾンビ企業である市場で、正常な競争と効率性の向上を期待できるだろうか。このような企業が特に多い鉄鋼・造船・海運業界では「ゾンビ企業が健全な企業の足を引っ張る」という声が多い。個別の企業を生かすために産業を亡ぼす愚を犯すということだ。可能性のある産業を育てたり一時的に困難に直面した企業を支援するという政策金融の趣旨にも合わない。


ゾンビ企業への支援はTPP加入にも障害となる可能性が高い。米国をはじめとする参加国は「国営企業支援制限」を協定の主要項目として扱った。国営企業に対する政府の特恵を縮小し、市場原理に基づいて運営しろという注文だ。加入交渉過程で参加国が産業銀行や信用保証基金を通じた企業支援を問題視する可能性がある。ゾンビ企業を整理する時間は多くないということだ。

ゾンビ企業は経済的な理由で量産されたのではない。該当企業および労組の反発を意識して歴代政権が政治的に延命させたケースが少なくない。政府と金融委員会がいくらゾンビ企業の整理を強調してもなかなか消えないのもこのためだ。もともと個別部処の力では解決しにくい課題だ。青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政府は今からでもゾンビ企業の解決を国政課題の優先順位に置く必要がある。そうしてこそ経済活力の回復と創造経済の活性化も可能だ。腐った木が日光を遮って立っていれば、それは死んだ森にすぎない。



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