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【コラム】異邦人が描いた韓国…深みはそれぞれ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

作品『心の暴風、ソウル』(左)、作品『正月一日の外出』

今から100年前、共通点が多い2人の作家がいた。2人とも欧州出身で、日本で浮世絵の多色木版画の技法を学び、韓国を何度も旅行し、日本式の版画で韓国人の日常や風物を描写した。しかし作品の雰囲気はまったく異なる。江原道原州(カンウォンド・ウォンジュ)の「ミュージアムSAN」で今展示中のスコットランドの作家エリザベス・キース(1887~1956)とフランスの作家ポール・ジャクレー(1896~1960)の版画の話だ。

ジャクレーの作品は色彩がさわやかで装飾的でエキゾチックだ。かなり韓国を描写したが、韓国人が見てもエキゾチックなほどだ。『心の暴風、ソウル』という版画を見ると、浮世絵美人画の典型的な顔とポーズをそのまま持ってきてヘアースタイルと服だけを韓国式に、それさえも不正確に変えた。また別の版画『新郎』を見ると、団領(官服)は着ているが紗帽(礼帽)の代わりに羽毛のついた陣笠をかぶり、顔は西洋人に近い奇異な姿だ。

一方キースの場合は基本的に日本式版画の技法を使っているが、欧州の絵画的な構図と韓国的な人物描写をミックスして日本色が薄まり叙情的だ。何よりも韓国人の身振りや身なりが皮相的ではなく繊細に描写されている。作品『正月一日の外出』を見ると、母親と子供たちの親しげな姿と共に彼らがきれいにかぶったプンチャ(毛皮でつくった伝統的な防寒具)の精巧な描写が印象的だ。キースはまた「韓国の女性たちの履き物は非常に美しい」としてとても粋な履き物の編み目を正確に描写した。


ジャクレーとキース作品の差は、韓国人に対しどれほど真剣で愛しい眼差しを持っていたかで読み解くことができる。ジャクレーは東南アジアの風物版画でさらに有名だが、韓国は彼にとってオリエンタリズム的な興味を誘発するさまざまなアジア諸国の1つに過ぎなかったようだ。彼が日本で韓国出身の助手の娘を養女としたとしてもだ。一方、キースの版画には韓国人に対する深い関心と共感が自然に込められている。彼女が韓国の女性独立活動家の悲しくも気品ある姿を描写する文を書いたことは驚くようなことではない。

とにかくキースはもちろんジャクレーの作品もかつて外国人の目に映った韓国の姿を見せるという点で資料としての価値を持つ。それだけではなく韓国が外国の文化芸術で多く扱われることに汲々としている現代の私たちにとっても示唆する点がある。「どのように」「どれほど深く」扱われるのかが、より重要だということにおいてだ。

ムン・ソヨン コリア中央デイリー文化部長



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