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【コラム】韓中関係、傾けば崩れる

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
外交・通商側の官僚たちが歯ぎしりする事件がある。15年前の2000年のことだ。当時、韓中関係は熟していた。1998年末の金大中(キム・デジュン)大統領の国賓訪問と1999年の2回の首脳会談が続き、修交9年目の両国関係は朝中関係よりも近いように見えた。

ところが韓中関係のバラ色の幻想は「ニンニク騒動」で崩れた。当時ニンニクだけに360%の関税をつけた制度のせいで、中国産の冷凍ニンニクと漬物ニンニクが怒涛のように流れ込んだ。農家被害が大きくなった。世界貿易機関(WTO)規定によって政府はその年の6月、冷凍・漬物ニンニクに対する関税率を30%から315%に上げるセーフガードを発動した。正常的な措置であった。

◆力のバランスが変われば…


1週間後、中国は報復措置を出した。韓国製の携帯電話とポリエチレン輸入を全面的に中断させたのだ。国際法に外れたが、中国は当時WTO加入国ではなく提訴できなかった。韓国は対中国貿易で黒字を出していたところに、また、どんな報復を持ち出すかも分からなかったのだから…。

韓国は1カ月で白旗を揚げてしまった。3年間で毎年3万2000~3万5000キロのニンニクを30~50%の関税率で買うことにした。セーフガードを取らないという約束もしなければならなかった。

韓半島(朝鮮半島)は米国・中国・ロシア・日本などの4強国に囲まれている。これらの間の力のバランスが崩れるたびに韓半島には危機が迫った。

旧韓末(朝鮮時代末期から大韓帝国時代)に中国が外勢侵略に苦しめられると、すぐに朝鮮は蹂りんされた。ロシアが日露戦争で敗れるとすぐに韓半島は日本の手中に落ちた。そんな日本が太平洋戦争で崩壊した後には南と北に分断された。

最近、再び力学関係に変化の兆しが現れている。中国の急激な台頭のためだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領が先週、中国に行ったのもそうした理由からだったのだろう。習近平国家主席と会談して昼食をともにした。天安門広場の閲兵式時は習主席のそばの席に座った。国内メディアは、韓中関係についてのバラ色の展望をあふれさせた。

◆米国との同盟、より重要に

代わりに同盟国である米国とは疎遠になる雰囲気だ。米国が最優先視している日本とは過去の歴史紛争をかもして隙間ができた。中国が史上最大の「軍事ショー」を行った時に天安門望楼の上にいた米国の友好国首脳は朴大統領だけだった。ジョン・ケリー米国務長官は「十分に理解する」と言ったけれども、胸の内は分からない。

今の韓国の姿は旧韓末水準ではない。だが周辺4強を無視できる水準でもない。外交的レバレッジ(テコ)を起こせる程度にはなるが、片側に偏った瞬間に崩れるかもしれない。

2007年初め、韓米自由貿易協定(FTA)交渉が真っ最中だった時のことだ。当時「狂牛病の牛」「投資家国家訴訟(ISD)」などをめぐる議論が大きかった。もどかしい思いをしていたある高官は記者に「韓米FTAは無条件に結ばなければならない。小さな利益を問い詰めて水の泡にしてはいけない。米国とのFTAは、韓国が中国に引きずられて行くのを防げる唯一のレバレッジ」と内心を打ち明けた。中国に言いなりになっていたらどうなるか分からないので、米国を利用して国益を守らなければならないという話だった。

その官僚は引退した。彼が主張した概念も韓国政府から引退したのかも知れない。それが心配だ。

キム・ヒョンソク産業部次長



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