全羅北道(チョンラブクド)の乳牛農場のそばに置かれたコンテナ。スリランカ出身の両親を持つ女の子ティヌリ(3)は、生まれてからここを出たことがあまりない。普通の韓国の子供たちなら保育園に行く年齢。だがティヌリは隠れるように暮らしている。両親が不法滞在者だからだ。韓国で生まれたティヌリは出生届も出せなかった。国籍のない子供だ。
ティヌリは終日コンテナの中で人形遊びをしている。背中にはポロロのカバン。母親(37)は「1、2回だけ出て行って同じ年頃の子供たちが背負って(保育園に)通っているを見て、カバンを買ってくれとせがみ、ああしている」と言った。思いきってティヌリを保育園に預けてみようとした。3カ所を回ったが全て断られた。出生記録がないティヌリは、万一の場合に備えて保険に入ることができず、また韓国の親たちが知ればどんな話をするかも分からないという理由だった。そんなティヌリの友だちは人形、そしてスリランカの童謡を聴かせてくれる古いコンピューター1台だ。
京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)に住む女の子クルジャリナ(6)は昨年、ある癖が出てきた。見慣れない声が聞こえると、驚いたように頭をヒュッと回した後、警戒するまなざしで眺める。今年6月に続き7月中旬、記者が2回目の訪問をした時もそうだった。記者の声に警戒する様子が明らかだった。母親(43)が「この間見たおじさん」というと、その時初めて顔にそっと笑みが漂う。母親は「取り締まりチームが来ないかと両親が警戒しているのを子供が感じ始めたようだ」と話した。クルジャリナの両親はキルギスタンから来た不法滞留者で、クルジャリナは無国籍の子供だ。
国籍のない子供たちは、このように隠れて暮らしている。原則的に保育園のような保育機関や義務教育の小中学校には行くことができる。だが両親が不法滞在者であることが分かるほかはなく、行くのを敬遠する。国際児童保護団体「セーブ・ザ・チルドレン」のイム・セワ国際協力チーム長は「例え思いきって学校に訪ねて行っても、後になって予想できない問題が出てくるかと思って学校側が難色を示すケースが多い」と話した。
それで無国籍・不法滞在の青少年の相当数は社会・宗教団体が運営する非認可の教育機関で学ぶ。京畿道で宗教団体が運営する教育機関に通うアン(17)がそうだ。両親がバングラデシュから来た不法滞在者なのでここで勉強することになった。高校過程である数学・科学・社会・英語と韓国語の授業を聞く。午前9時から午後5時まで一日中勉強した。そんなアンが今年初め失意に陥った。非認可の学校なので卒業証書を受け取っても故国では学歴を認めてもらえないという事実を知ったからだ。
こんな友人たちに比べれば、イ・ジュウォン(17)は幸運な子供だ。キルギスタン人の血が流れる彼はソウルで高等学校に通う。だが限界がある。今年4月、友人たちが済州島(チェジュド)に修学旅行を行った時は一緒に行けなかった。住民登録番号がなくて飛行機に乗れなかった。イ君は「修学旅行に行けなかったのは惜しいが、もっと残念なことがある」と言う。ボランティア活動ができないことだ。住民登録番号をインターネットに登録しなければボランティア活動ができないシステムだからだ。イ君は反問した。「この頃はボランティア活動をしないで大学に行けるでしょうか。夢は建築デザインなのに…」。
<韓国、不法滞在者の子供たち>(上)…�らの悲哀(2)
ティヌリは終日コンテナの中で人形遊びをしている。背中にはポロロのカバン。母親(37)は「1、2回だけ出て行って同じ年頃の子供たちが背負って(保育園に)通っているを見て、カバンを買ってくれとせがみ、ああしている」と言った。思いきってティヌリを保育園に預けてみようとした。3カ所を回ったが全て断られた。出生記録がないティヌリは、万一の場合に備えて保険に入ることができず、また韓国の親たちが知ればどんな話をするかも分からないという理由だった。そんなティヌリの友だちは人形、そしてスリランカの童謡を聴かせてくれる古いコンピューター1台だ。
京畿道水原市(キョンギド・スウォンシ)に住む女の子クルジャリナ(6)は昨年、ある癖が出てきた。見慣れない声が聞こえると、驚いたように頭をヒュッと回した後、警戒するまなざしで眺める。今年6月に続き7月中旬、記者が2回目の訪問をした時もそうだった。記者の声に警戒する様子が明らかだった。母親(43)が「この間見たおじさん」というと、その時初めて顔にそっと笑みが漂う。母親は「取り締まりチームが来ないかと両親が警戒しているのを子供が感じ始めたようだ」と話した。クルジャリナの両親はキルギスタンから来た不法滞留者で、クルジャリナは無国籍の子供だ。
国籍のない子供たちは、このように隠れて暮らしている。原則的に保育園のような保育機関や義務教育の小中学校には行くことができる。だが両親が不法滞在者であることが分かるほかはなく、行くのを敬遠する。国際児童保護団体「セーブ・ザ・チルドレン」のイム・セワ国際協力チーム長は「例え思いきって学校に訪ねて行っても、後になって予想できない問題が出てくるかと思って学校側が難色を示すケースが多い」と話した。
それで無国籍・不法滞在の青少年の相当数は社会・宗教団体が運営する非認可の教育機関で学ぶ。京畿道で宗教団体が運営する教育機関に通うアン(17)がそうだ。両親がバングラデシュから来た不法滞在者なのでここで勉強することになった。高校過程である数学・科学・社会・英語と韓国語の授業を聞く。午前9時から午後5時まで一日中勉強した。そんなアンが今年初め失意に陥った。非認可の学校なので卒業証書を受け取っても故国では学歴を認めてもらえないという事実を知ったからだ。
こんな友人たちに比べれば、イ・ジュウォン(17)は幸運な子供だ。キルギスタン人の血が流れる彼はソウルで高等学校に通う。だが限界がある。今年4月、友人たちが済州島(チェジュド)に修学旅行を行った時は一緒に行けなかった。住民登録番号がなくて飛行機に乗れなかった。イ君は「修学旅行に行けなかったのは惜しいが、もっと残念なことがある」と言う。ボランティア活動ができないことだ。住民登録番号をインターネットに登録しなければボランティア活動ができないシステムだからだ。イ君は反問した。「この頃はボランティア活動をしないで大学に行けるでしょうか。夢は建築デザインなのに…」。
<韓国、不法滞在者の子供たち>(上)…�らの悲哀(2)
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