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【コラム】韓国・日本、それぞれ異なる創造経済

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「ただの『ベンチャー』ではなく『イノベーションベンチャー』だ。単に創業の数を増やすのではなく、日本経済社会と産業構造にビッグインパクトを与える『革新的先端ベンチャー』だ」。安倍内閣が「Japan is BACK」というサブタイトルをつけた日本再興戦略2015年改訂版で投じた言葉だ。いわゆる「ベンチャー創造の好循環」。注目されるのはその傍点が「大学」に打たれたことだ。ベンチャー創出のための「特定研究大学」「卓越大学院」など全く異なる類型の大学・大学院の導入がまさにそれだ。

特定研究大学は政府が握った権力を国立大学に委譲するのが核心だ。優秀な国立大学に経営権と収益事業権を果敢に移すということだ。何よりも照準点が明確だ。大学が企業にとって魅力的な投資対象となってこそベンチャー創造が可能と考えたのだ。大学は大学でグローバル競争力を高めることができるという計算だ。

◆大学に賭ける日本


卓越大学院も従来の枠を崩すのは同じだ。複数の大学、研究機関、企業、海外機関が共同で設立するという発想だ。モノのインターネット(IoT)、ビッグデータ、人工知能など最先端融合分野に対応し、新領域・新産業を創造し、新規創業を起こすというのがその目的だ。東京オリンピック(五輪)が開催される2020年に向けて、米西海岸のようなグローバルベンチャー拠点を日本に形成するという野心も見える。安倍首相の戦略は一言で、大学を中心に創造経済と大学改革の二兎を追い、日本再興の牽引車にするというものだ。

スタートから創造経済を叫んだ朴槿恵(パク・クネ)政権はどうか。政府が創造経済を完備したと自画自賛する全国17カ所の創造経済革新センターの傍点が打たれたのは大学ではなく大企業だ。大企業が自らの生き残りと成長のために、M&A(企業の合併・買収)などを目的にスタートアップを育てるなら、誰もとやかく言うことはない。しかしこれは大企業を前面に出した新しい形態の官冶創造経済であり、いくら良い見方をしても創造経済という名の社会貢献センターとなった格好だ。時々刻々と変わるグローバル競争の中で必死の大企業が感じる心理的な圧迫感がどうか。政権に嫌われたと心配したり政権に謝意を表したい時、グループトップが立ち寄るにはこの上ないところという大企業もあるが…。政権が交代すれば創造経済革新センターがどうなるか心配だ。

◆戦略で劣る韓国

大学構造改革も声ばかり騒がしい。朴槿恵政権がいう教育改革は4大構造改革の中でも後まわしだ。教育改革の中でも大学構造改革は優先順位で上位ではない。それだけではない。大学構造改革のために真っ先に改革されるべき教育部が改革者であるかのように幽体離脱を繰り返しているのだから、これほどのコメディもない。方向でも正しければまだよい。一律的な定員縮小、目の前の就職率向上にばかりこだわり、いったい大学改革はなぜするのか全体の絵がない。教育部がすることは、ただ権力という権力はすべて握りしめて大学の派閥づくりをするのがすべてだ。こんなことで誰が大学に投資し、創業らしい創業が生まれるだろうか。

見兼ねた韓国大学教育協議会が一部の優秀大学だけでも学費自律策定など一切の「規制フリーゾーン」にすることを政府に建議するという。しかし今の教育部では期待できない。創造経済、大学改革で劣勢になれば何を以て日本に勝つのか。

アン・ヒョンシル論説・専門委員/経営科学博士



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