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陸上短距離で頭角現す日・中…東洋人で初めて10秒の壁を破った中国の弾丸

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
世界陸上選手権大会が開催されている中国は今、一人の男に熱狂している。世界選手権100メートルでアジア選手では初めて決勝に進出した蘇炳添(26、中国)だ。彼は中国で「飛人」と呼ばれ、「大陸の英雄」に浮上した。

蘇炳添は23日、北京国立競技場で行われた男子100メートル準決勝で9秒99をマークし、アジア人では初めて世界選手権100メートルの決勝に進出した。準決勝1組で3位タイだった蘇炳添に注目していた約5万人の観客は、蘇炳添の決勝進出が決めると金メダルを獲得したかのように歓呼した。2004年アテネオリンピック(五輪)男子110メートルハードルの金メダリスト、劉翔中国CCTV解説委員は「信じられない光景だ」と興奮していた。

決勝では10秒06という記録で9人のうち最下位に終わったが、中国人は新しい陸上スターの誕生に興奮を隠せなかった。CCTVは競技翌日の24日、蘇炳添の準決勝、決勝レースを何度も放送した。蘇炳添は新華社通信のインタビューで「自分の人生で最も光栄な瞬間だった。夢のようなことがあっという間に起きた」と語った。


蘇炳添は中国陸上が10年間にわたり力を注いで生み出したスターだ。中国は2008年北京五輪を控え、体育総局と国家体育科学研究所を中心に短距離陸上に集中投資した。特に各高校・大学の陸上部を競争力がある選手を育てる養成所として活用した。14歳で陸上を始め、体育学校で体系的なトレーニングを受けた蘇炳添は20歳から頭角を現した。2009年にアジア室内選手権60メートルで1位(6秒65)になった後、2010年広州アジア競技大会400メートルリレーで金メダルを獲得し、中国の短距離を引っ張る選手に浮上した。

2011・2013年アジア選手権100メートルで2連覇を果たした蘇炳添は米国で集中トレーニングを受けたりもした。その後、各種国際大会に出場して経験を積んだ。中国チャイナデイリーの記者は「選手の技術発展のために政府が国際大会出場を督励する。ダイヤモンドリーグなど国際陸上競技連盟(IAAF)主管大会を通じて蘇炳添が自信をつかんだ」と話した。蘇炳添は5月、米オレゴン州ユージーンで行われたダイヤモンドリーグで、東洋人では初めて9秒台(9秒99)をマークした。当時の競技を見守った劉翔はソーシャルネットワークサービス(SNS)に「蘇炳添はすごい選手だ」と絶賛を惜しまなかった。

蘇炳添の体格は172センチ、65キロだ。100メートル世界1位のウサイン・ボルト(ジャマイカ、195センチ、93キロ)より23センチも背が低い。しかし瞬発力がある。蘇炳添の担当コーチは「蘇炳添は土の中の真珠のような存在」と評価した。

2回も9秒台をマークした蘇炳添は「9秒99は中国の象徴的な記録。中国の新たな歴史を刻めてうれしい」としながらも「前途は遠い。もっと努力をしなければいけない」と強調した。蘇炳添は29日、400メートルリレーに出場する。



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