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【コラム】守るべき理想、避けられない現実=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
将来を約束する夢と理想がない人や共同体は、無気力な真空状態に陥りやすい。その一方、今ぶつかっている現実を冷遇したまま夢と理想だけに執着する人間や共同体の終末は、淘汰されて破綻に至る可能性がある。このように理想と現実の乖離は人間が持つ宿命であり宿題なのかもしれない。ゆえにその乖離を認知して間隔を狭める努力を怠らない賢い人間や賢明な共同体を、私たちは必要とする。解放70周年を迎える今がまさにそんな時だ。

70年前の8月、私たちは植民地のくびきから解放されて帝国主義の時代が幕を下ろすのを見守った。しかし分断と同族相克の戦争、深刻化し続けた対決によってつづられた過去70年は、光栄と恥辱の民族史だった。この過程でますます克明にあらわれたものは何よりも平和と民族保存の原初的な重用性だ。戦争は、しかも核戦争は必ず予防されなければいけないということが民族的・国家的な至上課題として浮上した。

実際100年余り前に始まった私たちの独立運動は、東洋の新しい平和秩序の樹立運動と共に推進された。韓半島(朝鮮半島)の独立と東洋の平和秩序は、相互間に作用する必須条件であることを安重根(アン・ジュングン)義士の獄中著書『東洋平和論』でも3・1独立宣言書が明らかに説明している。さらに1945年8月の広島への原子爆弾投下で始まった核兵器時代にいたり、戦争を予防する平和維持体制とすべての共同破滅を予防する核兵器管理体制を作り出すことが最も緊急な共通の理想であり政策目標になるほかはなかった。1947年の日本平和憲法と92年の韓半島非核化共同宣言は、韓国とアジア市民のこうした希望と決議を最も象徴的に集約した文書に挙げることができる。


1945年に終戦を迎えた日本は、数百万人の人命損失と軍国主義が残した非人間化の遺産として深刻な試練を体験するほかはなかった。そうした失意と悲嘆の中でも戦争がない平和な世界の建設の先頭に立つという国民的な決議を集めたのがまさに46年に制定された日本国憲法であり、特に戦争の放棄を宣言した第9条であった。「日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇または武力の行使は国際紛争の解決手段としては永久にこれを放棄する」。これと共に陸海空軍などの戦力を持たず国家の交戦権も認めないと明示したことは、極度の理想的集団意志の表現といえるが、これは日本人だけでなくアジア人の誰もが目指すべき理想であり目標であることに間違いない。



【コラム】守るべき理想、避けられない現実=韓国(2)

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