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【グローバルアイ】韓米同盟をお金で計算するな

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
先月23日(現地時間)、米ワシントンのペンタゴンのブリーフィングルームを訪れた時だ。米国防総省が炭疽菌配達事故調査の結果を発表する席だった。ブリーフィングを待っている時、数人の米国人記者がドナルド・トランプが韓国を非難し、これに韓国メディアが反発したという話を交わしていた。

米大統領選挙に飛び込んだトランプは遊説で韓国を「一日に数十億ドル稼ぐ」国と表現した後、「しかし安保は米国に頼る」と批判した。これをめぐり「狂っている(crazy)」と繰り返し語った。韓国は米国で自動車・携帯電話・テレビを販売してドルを稼ぎながら、自分たちの安保は米軍に頼っているという無賃乗車論は、すでに米国で以前から続いてきた主張だ。しかしなぜ大統領候補という人物の口から出てくるのか、あきれてしまう。

在韓米軍が韓国の安保の核心であるのは間違いない。在韓米軍が撤収すれば北朝鮮の挑発の脅威だけでも韓国株式市場が大きく落ちるだろう。しかし在韓米軍の駐留は決して米国だけが犠牲となる一方的な関係ではない。韓国は在韓米軍駐留費用として毎年防衛費分担金を出している。政府の統計を見ると、2010年の7904億ウォンから今年は9320億ウォン(約1000億円)と、1兆ウォン近くまで増えた。


さらに重要なのは、在韓米軍は韓国戦争(朝鮮戦争)当時に米軍3万7000人が戦死したという事実とともに、韓米同盟を維持する軸という点だ。血で結ばれた過去と安保の責任を共に負う現在が結合し、韓米同盟は韓国の対外政策の枠であり北東アジアの秩序を維持する根幹だ。トランプはこれが何を意味するのか分かっているのだろうか。

今まで韓国は例外なくほとんどすべての国内外懸案で米国側を後押しした。国際的に対立する懸案ではいつも米国側に立ち、エボラウイルス撲滅やイラク難民救護など米国が主導すれば厳しい環境でも資金を準備して参加した。イラク戦争でも盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権は当時のブッシュ政権に応じて米国・英国に次ぐ3番目の規模で派兵した。

年初にイスラム国(IS)が日本人2人を残酷に斬首し、日本国民が言葉で表せない苦痛を経験したが、韓国はすでに派兵当時の2004年、ある若者がイスラムテロ団体に斬首されるぞっとする経験をした。外交部のブリーフィング室で殺害された事実を知らせる当時の当局者の表情は今でも忘れられない。これに先立ちベトナム戦争では韓国軍5000余人が戦死した。在韓米軍が韓国の安保の一定部分の責任を負った後には、韓国も米国と一緒に進むという同盟関係が厳格に存在する。

作用は反作用を呼ぶ。そんなはずはないだろうが、米国内で安保無賃乗車論が強まれば、韓国でも反発を招く。最も極端な反発は、米軍の核の傘をもう信頼できないという独自核開発論だ。これは北東アジアを核競争へ向かわせるほか、北朝鮮の核も正当化する。現実性もなく、現実化してもならない。しかしこういう話が太平洋を挟んで行き来するほど韓米同盟には亀裂が生じる。このため同盟はお金で計算するべきでない。

チェ・ビョンゴン・ワシントン特派員



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