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<野球>「控訴」原則が徹底した米国…姜正浩の安打を奪う

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
メジャーリーグ(MLB)の姜正浩(カン・ジョンホ、28、ピッツバーグ)は24日(日本時間)のワシントン戦で4打数2安打1打点をマークした。しかし2割8分6厘だった打率は2割8分5厘に落ちた。試合前にMLB事務局が姜正浩の記録を修正したからだ。19日のミルウォーキー戦の1回、無死一、二塁から放った内野安打が遊撃手の失策に訂正されたからだ。

当時の場面を振り返ってみよう。姜正浩はミルウォーキーの遊撃手ジーン・セグラの右側に強いゴロを打った。セグラがバックハンドで捕球し、二塁に送球したが、これが後逸となり、二塁走者が生還した。一塁走者が三塁へ、姜正浩は二塁へ進塁した。現場のスコアラーはこの状況を姜正浩の安打と記録した。

ミルウォーキー球団は異議を申請し、MLB事務局はこれを受け入れた。その結果、姜正浩の打率は下がり、ミルウォーキー先発ジミー・ネルソンの自責点は4点から3点となった。MLBではこのような手続きで記録が修正されるケースが少なくない。審判の判定ではなくスコアラーの判断(安打-失策)に対しては「控訴制度」があるのだ。


韓国プロ野球34年間、球団や選手が記録の修正を要請したことはない。その代わり過去の一部の選手はスコアラーに激しく抗議した。安打と思っていた打球が失策と記録されれば(打率が下がり)記録室の扉を蹴飛ばした選手もいた。2010年代以降はこうした衝突がほとんどない。ベテランのスコアラー2人が二重で確認し、テレビ中継画面を活用するためだ。

韓国野球委員会(KBO)のキム・ジェウォン記録委員長は「我々が権威を前に出して記録修正をしないのではない。韓米の記録システムは大きく異なる」と説明した。MLBは韓国に比べ「1次記録」の作成が徹底されていない。パートタイムのスコアラー1人がする。該当球団をホームチームと考える。したがって記録に感情が介入する余地がある。

2014年5月10日、ダルビッシュ有(テキサス・レンジャーズ)は9回二死まで無安打・無失点を記録中だった。しかしデビッド・オルティーズ(ボストン・レッドソックス)に安打を許し、ノーヒットノーランを逃した。試合後、オルティーズが事務局に再審を要請した。オルティーズは7回の打席で右翼前に落ちる打球を飛ばして出塁した。しかし記録は右翼手の失策。テキサスのホームスコアラーがダルビッシュのノーヒットノーランを守るために安打を認めなかったということだ。MLBは抗議を受け入れ、7回のオルティーズの安打でノーヒットノーランが消えたと訂正した。姜正浩の「失われた安打」はホームアドバンテージが適用されたのだろうか。キム委員長に尋ねたところ「私も安打と記録しただろう。バランスが崩れた状態で遊撃手が捕球して二塁に投げた。一塁に送球していれば姜正浩はセーフになっただろう」と話した。姜正浩が惜しくも安打を奪われたということだ。

スコアラーが安打-失策を判断する基準は「普通の守備」で捕球できたかどうかだ。人の動作を人が判断するだけに人の主観が入るしかない。国内プロ野球にも控訴制度がある。野球規則10.01(a)によると、記録は試合終了後24時間以内に確定しなければならず、その後でも理由書を提出すれば変更申請ができる。制度を活用しないため、死文化しただけだ。姜正浩は逆に控訴制度のために被害を受けることになったが。



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