情報技術（ＩＴ）輸出市場をめぐり階級制限のない無限競争が早ければ来年７月から始まる。２４日の世界貿易機関（ＷＴＯ）で韓国を含む５２カ国が妥結した情報技術協定（ＩＴＡ）が持つ意味だ。２０１品目のＩＴ製品の関税障壁が段階的に消える。協定に５２カ国が署名したが、効力はＷＴＯ全加盟国に及ぶ。発効後、最大７年かけて関税が段階的に撤廃される。産業通商資源部のウ・テヒ通商次官補は「今回無関税になった品目はほとんど韓国の輸出品。他の分野とは違い、開放すればするほど利益」と話す。

世界市場の沈滞、円安など悪材料を迎えた韓国の輸出に久々に朗報が届いた。ＩＴＡ交渉の妥結で１兆ドル（約１１００兆ウォン）規模のＩＴ市場が追加で開放される。ＩＴ分野で世界的な競争力を持つと評価される韓国としては、輸出に活路を開く好材料だ。特に最大貿易国の中国にテレビやカメラ部品を無関税で輸出できる道も開かれた。

韓国企業が世界市場で競争力を持つメモリー半導体をはじめ、磁気共鳴画像装置（ＭＲＩ）、衛星利用測位システム（ＧＰＳ）、テレビ・ラジオ・カメラ・モニター部品などが無関税化品目に含まれ、韓国の輸出拡大に寄与する見込みだ。産業部によると、今回追加された無関税製品群の韓国の輸出額は２０１３年基準で１０５２億ドル。貿易黒字も３８１億ドルにのぼる。


政府は１９９６年のＩＴＡ１次妥結後と似た効果を期待している。同年、ＩＴＡが妥結し、携帯電話・コンピューターなど２０３品目の関税が撤廃され、韓国は最大の恩恵国となった。韓国貿易協会によると、ＩＴＡの発表前に２６２億ドルだったＩＴ輸出規模は昨年１３７０億ドルに増えた。

企業も交渉結果を歓迎した。韓国貿易協会のパク・チョンイル通商研究室長は「７年後に２０１品目がすべて開放されるとみると、１兆ドル規模の市場が開かれる」とし「開放が３年や５年に前倒しになる品目が増えれば、恩恵もさらに大きくなるだろう」と説明した。最大輸出市場の中国との貿易で韓国に有利な条件が形成された点もプラスだ。６月に正式署名された韓中自由貿易協定（ＦＴＡ）で関税引き下げ対象でなかった「譲歩除外品目」２５品目が含まれた。テレビおよびカメラ部品、セットトップボックス、半導体・ディスプレイ製造機などが該当品目だ。



１１００兆ウォン市場で関税撤廃…韓国、半導体・テレビの中国輸出に好材料（２）