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【社説】数学放棄者60%の教育では科学強国は望めない=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
教育部が9月に改正教育課程を出すことにした中、数学教育の現実に対する意味のある調査結果が出てきた。高校生の10人に6人は数学の勉強を断念した「数学放棄者」という内容だ。教育市民団体「私教育の心配がない世の中」と朴洪根(パク・ホングン)新政治民主連合議員が児童・生徒と数学教師の計9022人に尋ねた結果だ。小学生の36.5%、中学生の46.2%、高校生の59.7%が自らを数学放棄者だと答えた。数学教育の危機を端的に見せている。

数学が重要なのは単に大学入試の比率が大きいからではない。概念と原理を理解して解法を探していく過程で問題の解決能力を高めることができるからだ。理工系はもちろん人文系の学生にも必要な能力だ。しかし現実で数学は難しく退屈な科目になってしまった。数学の教育が「考える方法」という本質ではなく「正解探し」に歪曲されたからだ。数学の実力の国際比較で韓国の生徒の達成度は高いが、興味と自信は下位圏という事実がこれを示している。

数学放棄者を量産する構造はよく知られている。まず高校卒業までに習う内容があまりにも多い。多くの国で中学生が習う内容を韓国では小学生に教え、外国の高校課程を韓国の中学生が習う。このため私教育と先行学習が広がり、これがまた負担を増やすという悪循環が続く。


大学入試制度はこれをあおっている。医大のように数学がそれほど必要でない専攻も数学の点数が高い学生を好む。生徒のレベルと適性を考慮しない一律的な教育が行われるしかない。大学入試に設定された教育目標は、数学に初めて接する幼稚園児や小学生までも問題を解かせる方向に向かわせる。

こうした教育では数学・科学強国を夢見るのは難しい。何よりも数学教育の目標と範囲を明確にしなければいけない。すべての生徒がアインシュタインになることはできない。その必要もない。専攻と適性に合わせて数学教育を多様化することを検討する必要がある。生徒の興味を高めることができる易しい数学と生活数学教育も今より強化しなければいけない。改正教育課程にこうした問題意識が反映されることを望む。



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