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【社説】揺れるグローバル経済…危機の影がちらつく=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓国銀行(韓銀)までが今年の経済成長率予測を3.1%から2.8%に引き下げた。当初1.0%と予想していた4-6月期の成長率が中東呼吸器症候群(MERS)・干ばつ被害などで0.4%にとどまったという点を考慮したという。政府は先月、今年の目標成長率を3.5%から3.1%に引き下げたが、韓銀はそれよりも低い。政府が推進中の11兆8000億ウォン(約1兆3000億円)規模の補正予算効果まで含めてこの程度という。民間研究所は先立って成長率予測値を2%台後半に低めた。低成長が既定事実化していく。

グローバル経済は予測不可能だ。ギリシャ事態、中国株式市場の暴落などメガトン級の変数だ。事実上デフォルト(債務不履行)まで進んだギリシャ事態は12日のEU28カ国首脳会議まで時間を稼いだにすぎず、どこまで広がるかも予想できない。国際通貨基金(IMF)に続いて米国がドイツなどに対し、ギリシャの債務を減免するよう要請している半面、EU内部ではギリシャのユーロ離脱シナリオまで準備している。さらにギリシャ政府は債務減免を要求し、政治的ギャンブルに頼っている。

中国株式市場も不安だ。中国政府の相次ぐ強力な浮揚策で昨日は上海株式市場が上昇に転じたが、先月12日に今年の最高値をつけた後、わずか3週間で30%以上も下落し、なんと3兆ドル前後の時価総額が消えた。これは昨年のギリシャのGDPの10倍を超える。まだ火が消えたわけではない。中国株式市場の急落は単に技術的な問題のためでないという指摘も多い。中国の成長鈍化は昨今のことではない。中国経済に「バブル」崩壊以上の途方もない何かが生じているのではという不安感が襲っている。


グローバル経済は尋常でない。米連邦準備理事会(FRB)が予告した今年9月の利上げを来年に先送りするという見方が出ているのもそのためだ。IMFは利上げを来年に延ばすことを繰り返し勧告している。グローバル経済がまた米国中心に再編され、激変期を迎えるだろうという観測も出ている。

そうでなくても2017年にまた危機を迎えるという声が聞こえる状況だ。今はその前奏曲なのかもしれない。昨日、韓国財界を代表する30大グループ社長団が経済難を克服するための共同声明を発表したことからも危機意識が感じられる。経済を回復させるために企業が投資、内需活性化に注力するので、政府と国会が投資環境を整えてほしいという呼び掛けだった。ところが政府と国会は危機意識も準備もない。補正予算をめぐり攻防を繰り広げているだけだ。補正予算が実現しても成長率を0.3%引き上げる効果しかない。政府は昨日、大統領の前で数十兆ウォン規模の投資と輸出を作り出すと発表した。しかし1兆2000億ウォン規模の投資プロジェクトは規制に引っ掛かって不可能だという。どこからこのような数値を取り出してきたのか分からない。現実性のない数字の祭りではいけない。

3%の成長もできない状況だが、賃金を上げれば経済が回復するという奇怪な声ばかり高まる。国会も政府も同じだ。強力な経済回復傾向にある日本がうらやましいと、あたかも他人事のように話す。グローバル経済に危機の影がちらつくが、政府は国会を恨み、国会は政府を恨んでいる。巨大な危機が徐々に近づいている。



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