長い間列を並んで待った末、自分の番が回ってきたが、映画館の入場券が売り切れになる。

年に１、２回しかこぼさないコーヒーは、必ずパソコンのキーボードの上と決まっている。公衆トイレで私が並んだ所の人は、必ず長々と出てこない…。「マーフィーの法則」とは、一言で「うまくも行き、うまく行かなくもあることは、必ずうまく行かない」ということだ。

若手物理学者であるチョン・ジェスン氏は著書『科学コンサート』で、英国の学者ロバート・マシューズ氏の研究を引用し「マーフィーの法則には、そうなるだけの科学的理由がある」と説明した。


例えば朝の出勤時間にトーストにバターをつけ、慌てながら食事を取ったりするとパンを落としやすい。

ところが落ちた食パンのほとんどは、バターを付けた面が下に向いている。再び食べることもできないうえ、忙しい最中に床掃除までするはめになる。

マシューズ氏はこの問題に挑み「地球の重力は、食卓や人の手の高さから落ちるトーストを半回転ほどしか回せない」ということを簡単な計算で証明した。

当然の現象だというわけだ。チョン・ジェスン氏は「スーパーのレジのうち、自身の並んだ列が一番ゆっくり進むような」気がすることについても、確率と人の欲から分析した。列が１２あれば、自分の列より他の列が先に進む確率は１２分の１１にもなる。ここに自分の焦りを加えれば、そうした気分になるに決まっている。

結局、不思議なほどの不運も、ほとんどは理由があるというのだ。だとすれば、以外にも幸運が重なるということにも、何らかの理由があるはずだ。秋夕（チュソック、注：韓国の旧盆）のプレゼントとして弟と弟の友人に贈った宝くじが１、２、３等に当選し、２５億ウォンが当たった理由も、同じことが言える。

「確率２０００万分の１」だけではなぜか説明が足りない気がしたが、当選金を互いに譲り合った貧しい兄弟の暖かい友愛が「大幸運」の後日談として登場した。庶民としては、羨みつつも「だから福が来たんだな」とうなずくしかない。

では「盆唐（プンダン）の大幸運」とは、どんな場合だろうか。資本金３億ウォンの会社が、土地を１６００億ウォン分も購入した。それも、随意契約により安価で買ったという。その後、法が変わり、変わった法のおかげで土地の用途が変更され、マンションを建設できるようになった。当然、宝くじの当選金など比べものにならない、超大型の大幸運が当たったわけだ。

関連者が「適法な方法で行われた」と語るのだから、今としては何とも断定し難い。だが、どんな科学者が挑んでも、こうした途方もない幸運を「科学的に」説明するには、かなり苦心するに違いない。