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【コラム】賃金も不公平で雇用も不公平だ=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
不平等は市場経済の歴史が長い国では所得の差よりも富、すなわち財産の差のためだ。しかし長い間に累積されてきた財産の不平等を短期間には解消できないので不平等解消のための政策は所得不平等に焦点を合わせている。熱心に働けば財産の多い富豪にはなれなくても最小限の人間的な人生を享受できる賃金を得られるのが先進国だ。ところが韓国と先進国の間には不平等の原因と解消案に差がある。韓国は熱心に働いても財産が「なくて」ではなく賃金を「得られないので」不平等を抜け出すことはできない構造だ。一般的に所得不平等の原因を財産不平等と考えやすいが韓国はそうではない。

韓国も他の先進国と同じように財産所得が賃金所得よりはるかに不公平だ。しかし国税庁の個人所得総額集計で配当・利子など財産所得は8%未満で、残りの92%以上は賃金所得だ。賃金所得の割合が圧倒的に高いだけでなく賃金が極めて不公平に分配されるので不平等の主要原因は賃金不平等だ。韓国は貧富差、すなわち「持てる者」と「持たざる者」の差も問題だが、それよりもっと深刻な問題は働いただけ「得られる者」と「得られない者」の差だ。韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち4番目に賃金所得不平等が激しい国であると同時に雇用不安定も1位を占めている。賃金不平等と雇用不平等が踏んだり蹴ったりで絡み合っているため状況が深刻だ。

韓国の雇用不平等は大企業と中小企業、元請け企業と下請け企業に分けられた企業の二極化がひとつの軸で、正規職と非正規職に二分化された雇用構造がもうひとつの軸だ。まず正規職と非正規職の問題だ。金融危機以降2008年から2014年の7年間に経済は20.9%成長したが正規職の実質賃金は6.1%しか増えなかった。正規職労働者の賃金上昇も経済成長率には大きく満たなかったが、本当に深刻なのは非正規職賃金で、同じ期間にむしろ2.8%減少した。非正規職賃金は成長した分だけも得られない正規職の半分である56%にしかならず、この格差はますます大きくなっている。非正規職のまた別の問題は雇用の質の悪化だ。期間制労働者保護法が制定された2007年に期間制労働者は全労働者の15.9%だったが2014年に14.6%とようやく1.3ポイント減った。これだけでなく期間制労働者の実質賃金は実に7.8%減少し、時間制労働者の割合は7.6%から10.8%に3.2ポイント上昇した。賃金が減った契約職を賃金がさらに低く雇用期間もさらに短い時間制、すなわちアルバイト労働者に変えたのだ。

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