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【コラム】裸になった大統領=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
日本の作家・開高健の短編小説の中に『裸の王様』というのがある。題名どおりアンデルセンの童話をモチーフにした作品だが1957年、日本の最高権威の芥川賞を受賞した。

あらすじはこうだ。主人公の画塾に太郎という生徒が入ってくる。画材会社の社長の1人息子だ。彼の心は堅く閉ざされている。ほかの子供たちとつき合わず絵を描くこともない。主人公は絵を描かせようと努め、太郎は徐々に心を開き、筆で自身を表現し始める。ちょうど画材会社はアンデルセン童話をテーマにした写生大会を開催する。応募作品は全て童話の本の中の挿絵を真似たものばかりだった。太郎の絵は違っていた。主人公が聞かせた『裸の王様』を、短いふんどしだけをつけて闊歩する大名(地方領主)として描写した。想像力にあふれていたが、彼の絵は審査委員の嘲弄だけを受けて落選する。

このごろ青瓦台(チョンワデ、大統領府)と政権与党の指導部の対立、政権与党の内紛を見守りながら思い浮かんだのが『裸の王様』だった。アンデルセンの作品より開高健のものがよりふさわしいのは、アンデルセン童話は現実に照らし合わせるには愉快すぎるからだ。ある子供が「王様が裸になったよ!」と叫ぶ瞬間、すべての人が集団的偽善から目覚める。王はみにくい裸身を恥じ、臣下は偽りを述べていたことを恥ずかしく思う。現実は決してそうではない。真実を言えば嘲弄だけで終わるのではなく、治盗棍(罪人らをこらしめるときに使うこん棒)を受けなければならない。王は裸になっても恥ずかしいとは知らず、臣下は偽りを言いながら唇に唾も塗らない。


政権与党の院内代表が、大統領の怒りを招いたのは事実、国会法改正案ではない別の2つだ。大統領が税金負担なく福祉を施してみるということに、無礼にも「税金なき福祉はない」と叫んだのが1つだ。安保は(軍人の娘である)大統領が最も競争力を持つ優秀科目なのに「THAAD配備」をどうこう言いながらイニシアチブを横取りしたのがもう1つだ。



【コラム】裸になった大統領=韓国(2)

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