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<MERS>ビッグデータ2年前の警告「アジアが最も危険」=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
「感染病は心理学から始まり、数学を経て医学で終わる」

全柄律(チョン・ビョンユル)元疾病管理本部長〔延世(ヨンセ)大学保健大学院教授〕は2009年に新型インフルエンザが広がった時の体験をこう要約した。彼は当時、疾病管理本部伝染病対応センター長をつとめていた。その時の経験に基づいて現在の中東呼吸器症候群(MERS)と闘う後輩たちに助言したのだ。初めて感染病が広がる時は人々が過度に驚かないよう適切な水準で警告しなければならない。一方、終盤には可能なすべての医学的手段を動員して病気と闘わなければならない。ところがその中間で数学はどんな役割をするというのか。

保健当局の疫学調査は、患者の接触者を探すのに焦点を合わせている。簡単に言えば、誰から病気がうつって誰にうつしたのか感染者の「後を追う」やり方だ。対象者全体をリアルタイムで確認できなければ常にウイルスよりも一歩遅れるほかはない。万一、病気が広がりやすいところ、感染の可能性がさらに高い人をあらかじめ選び出すことができれば話が変わる。もちろん空想科学(SF)映画のように対象者を1人ひとり毛抜きのように選び出すのは不可能だ。だが相対的に確率が高い対象だけ選び出しても防疫の効率を上げることができる。そうした確率を計算するのに数学が核心的な役割を果たすというのが専門家たちの話だ。


実際に米国・欧州などは2002年の重症急性呼吸器症候群(新型肺炎、SARS)、2009年の新型インフルエンザ事態などを体験してこのような研究を始めた。方法はこうだ。まず各病気の感染過程を方程式モデルで作る。感染の可能性がある人、潜伏期にある人、感染者、完治者を変数にして、多様な接触条件で病気が広がる可能性を問い詰める。ここに実際の人々の人口データ、移動情報を結合してある地域で発生した感染病がいつ、どこに、どれくらい広がるかを予測する。2006年に米国IBM研究所が開発した「視空間伝染病モデラー(Spatio Temporal Epidemiological Modeler、STEM)、同年に米インディアナ大学とフランス国立科学研究所(CNRS)など国際共同研究チームが作った「世界伝染病・移動性モデル(GLobal Epidemic and Mobility model,GLEaM)」などがこのようにして作られたシミュレーションプログラムだ。

STEMは米国各州単位の人口情報、出生率、死亡率などを基礎に情報をアップデートする。ここに各地の交通情報、鳥類の移動経路などを勘案して鳥インフルエンザ(AI)拡散経路を推定する。オープンソースプログラムだと使用者が自身の地域に合うように機能を追加し続けることもできる。現在240余りの地域用プラグイン(付加プログラム)が追加された。



<MERS>ビッ侃データ2年前の警告「アジアが最も危険」=韓国(2)

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