「国内の状況を見れば短期間に解決しにくい構造的要因により成長動力がさらに弱くなる可能性がある。韓国経済の回復傾向持続は楽観しにくい」。
12日午前、ソウルの韓国銀行で開かれた創立65周年記念式。鈍化、萎縮、弱化、不振、危険…。半世紀を超える韓国銀行の歴史を祝う席だったが、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が述べた記念演説は否定的な単語であふれていた。
その前日に韓国銀行金融通貨委員会は基準金利を年1.75%から1.5%に引き下げた。過去最低だ。李総裁は昨年4月の就任から4回金利を引き下げた。昨年8月と10月、そして今年3月と6月だ。昨年のセウォル号沈没事故から今年の中東呼吸器症候群(MERS)問題まで、韓国銀行の金利引き下げを促す変数として作用した。そうでなくても免疫力が弱くなった韓国経済は突然の変数に大きく揺れ動いた。李総裁は「MERS問題の推移、そしてその波及影響はまだ不確実ではあるが、経済主体の心理と実体経済活動に及ぼす否定的影響をあらかじめ緩和するためには先制対応することが望ましいと判断した」と金利引き下げの理由を説明した。
そして李総裁は、「今回の金利を下げる際にMERSだけをもって判断したのではない」と強調した。2.5%だった基準金利は1年間で1.5%に下がった。金融危機当時の金利2%よりも0.5%低い。韓国銀行がこれまで経験したことのなかった危機を感知したという意味だ。
◇経済成長エンジン、新興国から先進国へ
経済に暗雲が押し寄せているのは韓国だけではない。新興国の経済気象図は曇っている。世界銀行は10日に修正版の「世界経済見通し報告書」を発表した。フィナンシャルタイムズは、報告書の核心は「新興国の構造的沈滞」と指摘した。度重なる金融危機と財政危機で10年近く先進国に立ち込めていた経済の暗雲が新興国に大移動を始めるという意味だ。
世界銀行は今年の世界経済成長率見通しを3.0%から2.8%に引き下げた。特に中国を筆頭とした新興国の見通しを暗く見た。今年初めに4.8%と予想した新興国の成長見通しを4.4%に0.4ポイント引き下げた。米国、欧州連合(EU)、日本のような先進国が放出した大量のドル、ユーロ、円を燃料として走ってきた新興国に「さらに多くの燃料供給は期待するな」という指摘だった。
新興国の成長が鈍化した理由は、原油のような原材料の価格下落に貿易減少などが重なったためだ。特に原材料価格の下落は新興国の成長ペダルにブレーキをかけた核心要因だ。中国が内需中心の「新常態」政策に転換し原材料需要が大幅に減っている。原材料需要が増えなければ新興国成長のエンジンは温まりにくい。
これに対し先進国経済はますます好調を帯びている。経済回復に自信を得た米国はドル放出(量的緩和)を早目に終わらせ、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は政策金利を近く引き上げドルを回収すると予告した。昨年0.9%にすぎなかったユーロ圏19カ国の成長率も今年は1.5%に上昇するものと世界銀行はみている。日本経済は今年1~3月期に前期比1.0%成長し、韓国の0.8%を上回った。日本銀行の黒田東彦総裁は、「さらに円安に振れることはありそうにない」と話した。これは円安にこれ以上頼らなくても景気は回復するという自信の表れでもある。(中央SUNDAY第431号)
韓国、金利・財政だけでは危機乗り越えられない…構造改革だけが生き道(2)
12日午前、ソウルの韓国銀行で開かれた創立65周年記念式。鈍化、萎縮、弱化、不振、危険…。半世紀を超える韓国銀行の歴史を祝う席だったが、李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が述べた記念演説は否定的な単語であふれていた。
その前日に韓国銀行金融通貨委員会は基準金利を年1.75%から1.5%に引き下げた。過去最低だ。李総裁は昨年4月の就任から4回金利を引き下げた。昨年8月と10月、そして今年3月と6月だ。昨年のセウォル号沈没事故から今年の中東呼吸器症候群(MERS)問題まで、韓国銀行の金利引き下げを促す変数として作用した。そうでなくても免疫力が弱くなった韓国経済は突然の変数に大きく揺れ動いた。李総裁は「MERS問題の推移、そしてその波及影響はまだ不確実ではあるが、経済主体の心理と実体経済活動に及ぼす否定的影響をあらかじめ緩和するためには先制対応することが望ましいと判断した」と金利引き下げの理由を説明した。
そして李総裁は、「今回の金利を下げる際にMERSだけをもって判断したのではない」と強調した。2.5%だった基準金利は1年間で1.5%に下がった。金融危機当時の金利2%よりも0.5%低い。韓国銀行がこれまで経験したことのなかった危機を感知したという意味だ。
◇経済成長エンジン、新興国から先進国へ
経済に暗雲が押し寄せているのは韓国だけではない。新興国の経済気象図は曇っている。世界銀行は10日に修正版の「世界経済見通し報告書」を発表した。フィナンシャルタイムズは、報告書の核心は「新興国の構造的沈滞」と指摘した。度重なる金融危機と財政危機で10年近く先進国に立ち込めていた経済の暗雲が新興国に大移動を始めるという意味だ。
世界銀行は今年の世界経済成長率見通しを3.0%から2.8%に引き下げた。特に中国を筆頭とした新興国の見通しを暗く見た。今年初めに4.8%と予想した新興国の成長見通しを4.4%に0.4ポイント引き下げた。米国、欧州連合(EU)、日本のような先進国が放出した大量のドル、ユーロ、円を燃料として走ってきた新興国に「さらに多くの燃料供給は期待するな」という指摘だった。
新興国の成長が鈍化した理由は、原油のような原材料の価格下落に貿易減少などが重なったためだ。特に原材料価格の下落は新興国の成長ペダルにブレーキをかけた核心要因だ。中国が内需中心の「新常態」政策に転換し原材料需要が大幅に減っている。原材料需要が増えなければ新興国成長のエンジンは温まりにくい。
これに対し先進国経済はますます好調を帯びている。経済回復に自信を得た米国はドル放出(量的緩和)を早目に終わらせ、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は政策金利を近く引き上げドルを回収すると予告した。昨年0.9%にすぎなかったユーロ圏19カ国の成長率も今年は1.5%に上昇するものと世界銀行はみている。日本経済は今年1~3月期に前期比1.0%成長し、韓国の0.8%を上回った。日本銀行の黒田東彦総裁は、「さらに円安に振れることはありそうにない」と話した。これは円安にこれ以上頼らなくても景気は回復するという自信の表れでもある。(中央SUNDAY第431号)
韓国、金利・財政だけでは危機乗り越えられない…構造改革だけが生き道(2)
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