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【社説】MERSは今が峠…油断なく徹底的に対処を=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中東呼吸器症候群(MERS)の拡散がピークを過ぎたという専門家の見方が相次いで出ている。今週末まで多数の患者が発生しなければ小康局面に入る可能性があるということだ。平沢(ピョンテク)聖母病院の1次流行が落ち着いたのに続き、サムスンソウル病院などの2次流行もウイルス露出後の最大潜伏期間である2週間がもうすぐ終わるからだ。しかし感染病の特性上、いつ政府の防疫レーダー網から抜けた未知の場所で新たな事態が発生するか分からない。したがって3次流行の可能性を完全に排除してはいけない。伝染病の対応では油断は絶対に禁物だ。終息するまで決して終わっていない。

むしろ今からMERSの残り火の整理に取り組まなければいけない。その火がいつ大きく広がるか、どれほど潜伏して突然現れるか分からないからだ。落ち着いたと思われた新型インフルエンザウイルスが夏にまた出てきた2009年の苦い経験を忘れてはいけない。政府と医療界は最後まで緊張を緩めず、やるべきことをして、問題が再発しないよう鎮火する必要がある。

医療界がするべき最も重要なことは、MERSへの対処に成功して被害を最小化した病院の事例を他の医療機関に広めることだ。天安(チョンアン)檀国大病院は来院客が50%以上急減する状況を甘受し、黙々とMERS隔離病棟と陰圧室を運営し、今まで一度も2次感染の発生がなかった。感動した安熙正(アン・ヒジョン)忠南知事が最近、SNSにこれを称賛するコメントを載せて話題になった。ソウル聖母病院と8日にこの病院を訪れた105人目の患者(63)の事例も模範答案だ。病院側は屋外患者分類室を設置し、そこで保護装具を着用した医療スタッフが来院した患者を診察した後、すぐに陰圧隔離病床に移した。こうして接触者が1人も出ない模範診療事例を作った。


一方、ソウル市が運営する最大の公共医療機関でMERS専門病棟まで備えたソウル医療院では、病院の幹部が医療スタッフ約90人にMERS関連患者を診療するなという内容の指針をメールで回覧させ、物議をかもしている。危機であるほど病院は公的義務を前に出しながら献身的に医療倫理を示さなければいけない。このような渦中にソウル市が8日、ホームページを通じてMERS自宅隔離対象者150人の個人情報を11時間流出させた事件は非難されて当然だ。

現在MERSに対処する医療関係者は気力が尽きた状態だという。軍の医療陣を投入するというが、政府はできるだけ早い時期に効果的な支援が行われるよう最善を尽くさなければいけない。MERS患者用の陰圧室不足にも対応するべきだ。政府と医療界は緊張を緩めず小さな部分まで詳細に気を配り、MERSの残り火の整理に万全を期する必要がある。「悪魔は細部に宿る」という言葉もあるではないか。



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