ベールに包まれていた中東呼吸器症候群(MERS)ウイルス拡散過程が科学的に究明された。MERS官民合同対策本部傘下の疫学調査委員会が7日、平沢(ピョンテク)聖母病院でウイルス伝播経路を究明するため、最初の患者(68)が入院した8104号室で模擬実験を実施した結果だ。
実験に参加した疫学調査委員会の関係者は「患者がせきやくしゃみをする時に排出されたウイルスが換気口と排気口がない病室内を満たし、突然、窓や出入り口を開けば病室の外側の廊下や別の病室に拡散するということを確認した」と10日、明らかにした。十分に換気されない特別な環境では、MERSの空気感染が可能ということを立証したのだ。この病院では最初の患者をはじめ、計36人が2・3次感染した。
委員会は8104号室で水分粒子を発生させた後、状況によってどれほど広がるかを実験した。患者がせきをする時に出る唾の飛沫と似た水分粒子を室内に満たし、ドア・窓の開閉など病室で起きるさまざまな状況を調べた。その結果、空気中に浮いていた粒子は出入り口が開かれると、病室の外側に流出した。対策本部の関係者は「窓が開かれて風が入ってくれば、8階病棟内のすべてにウイルスが広がる可能性があるという結論を得た」と説明した。
保健当局はMERSは2メートル以内の近接接触をしてこそ感染すると説明していた。患者の口から出た飛沫で感染するが、患者の口から出ても2メートル以内で下に落ちるという根拠を挙げていた。
MERSの「震源地」となった平沢聖母病院で拡散した状況はこのような根拠では説明できなかった。最初の患者が2次感染させた26人のうち22人が別の病室の患者だった。1次疫学調査でエアコンフィルター3枚からMERSウイルスが検出されると、「エアコンの風に乗ってウイルスが広がった可能性がある」と発表したが、最初の患者の入院当時(5月15-17日)はエアコンが稼働していなかったことが確認された。今回の実験は「平沢聖母病院ミステリー」を解明するうえで役立つ科学的根拠を提示した。
患者がせきする時に出る飛沫が小さくなって空気中に浮いていた可能性があるという事実が立証された。対策本部の別の関係者は「実験をしてみると、飛沫の大きさの粒子も病室の外に広がった。飛沫が蒸発しながらエアロゾル(aerosol=微細水分粒子)ほど小さくなり、空気中に漂う可能性がある」と説明した。エアロゾルは粒子が小さいため空気中を漂う。ウイルスはそれよりさらに小さく、エアロゾルに乗って外に移動することが可能だ。
病院で施行される医療行為の過程で、エアロゾル粒子に乗ってウイルスが出てくるという事実は知られていた。東国大医大予防医学教室のイ・グァン教授は「医療行為中に痰吸入・酸素呼吸器を使用すると、ウイルスがエアロゾル形態で排出されたりもする」と述べた。イ教授は「当時は最初の患者がウイルスを最も多く排出する時期であり、ウイルスが煙なら部屋の中は曇っていたはず」と話した。また、この実験では床に落ちて乾燥した飛沫も窓から入る風で飛ばされて漂うことがあるという点も立証された。
<MERS>韓国でのウイルス拡散過程を究明(2)
実験に参加した疫学調査委員会の関係者は「患者がせきやくしゃみをする時に排出されたウイルスが換気口と排気口がない病室内を満たし、突然、窓や出入り口を開けば病室の外側の廊下や別の病室に拡散するということを確認した」と10日、明らかにした。十分に換気されない特別な環境では、MERSの空気感染が可能ということを立証したのだ。この病院では最初の患者をはじめ、計36人が2・3次感染した。
委員会は8104号室で水分粒子を発生させた後、状況によってどれほど広がるかを実験した。患者がせきをする時に出る唾の飛沫と似た水分粒子を室内に満たし、ドア・窓の開閉など病室で起きるさまざまな状況を調べた。その結果、空気中に浮いていた粒子は出入り口が開かれると、病室の外側に流出した。対策本部の関係者は「窓が開かれて風が入ってくれば、8階病棟内のすべてにウイルスが広がる可能性があるという結論を得た」と説明した。
保健当局はMERSは2メートル以内の近接接触をしてこそ感染すると説明していた。患者の口から出た飛沫で感染するが、患者の口から出ても2メートル以内で下に落ちるという根拠を挙げていた。
MERSの「震源地」となった平沢聖母病院で拡散した状況はこのような根拠では説明できなかった。最初の患者が2次感染させた26人のうち22人が別の病室の患者だった。1次疫学調査でエアコンフィルター3枚からMERSウイルスが検出されると、「エアコンの風に乗ってウイルスが広がった可能性がある」と発表したが、最初の患者の入院当時(5月15-17日)はエアコンが稼働していなかったことが確認された。今回の実験は「平沢聖母病院ミステリー」を解明するうえで役立つ科学的根拠を提示した。
患者がせきする時に出る飛沫が小さくなって空気中に浮いていた可能性があるという事実が立証された。対策本部の別の関係者は「実験をしてみると、飛沫の大きさの粒子も病室の外に広がった。飛沫が蒸発しながらエアロゾル(aerosol=微細水分粒子)ほど小さくなり、空気中に漂う可能性がある」と説明した。エアロゾルは粒子が小さいため空気中を漂う。ウイルスはそれよりさらに小さく、エアロゾルに乗って外に移動することが可能だ。
病院で施行される医療行為の過程で、エアロゾル粒子に乗ってウイルスが出てくるという事実は知られていた。東国大医大予防医学教室のイ・グァン教授は「医療行為中に痰吸入・酸素呼吸器を使用すると、ウイルスがエアロゾル形態で排出されたりもする」と述べた。イ教授は「当時は最初の患者がウイルスを最も多く排出する時期であり、ウイルスが煙なら部屋の中は曇っていたはず」と話した。また、この実験では床に落ちて乾燥した飛沫も窓から入る風で飛ばされて漂うことがあるという点も立証された。
<MERS>韓国でのウイルス拡散過程を究明(2)
この記事を読んで…