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【社説】MERS危機の兆し…国家非常事態を検討すべき=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
昨日午後からMERS(中東呼吸器症候群)騒動が、国家的な大型災難に広がるかも知れない緊迫した危機状況をむかえている。朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長は昨夜、緊急ブリーフィングで「MERSの疑いがある患者だったソウルのある医師が隔離通知にもかかわらず、1565人が参加する開浦洞(ケポドン)再建築組合総会やシンポジウムなど大型行事の場に数回出入りして不特定多数と接触した」と明らかにした。この医師はその直後MERS確診判定を受けた。また、この医者にMERSを感染させた2次感染患者が1時間30分の間市外バスに乗り、救急車を呼んで応急室に移送されたことが明らかになった。この2人のMERS確定患者の動線を考えるとMERS統制網が完全に穴があいた可能性を排除できなくなった。あれほど懸念してきた病院外の感染(地域社会感染)という災難が起きる可能性も大きくなった。

今、韓国政府は国民の命を守るために最悪の状況まで覚悟して国家的非常事態を悩まなければならない。MERS対応段階を「注意」から「警戒」や「深刻」に引き上げる非常措置まで検討しなければならないだろう。韓国国民はMERSというウイルスより政府の対処の方により不安を感じている。文亨杓(ムン・ヒョンピョ)保健福祉部長官は初期状況を誤認して次官を対策班長にしたが、1日になってようやく関係長官対策会議を要求した。福祉部と教育部が第一線の学校の休校について話が食い違った。主務長官が全体の状況を十分に掌握できずにうろたえ、経済・社会の2人の副首相は存在感を感じることができない。朴槿恵(パク・クネ)大統領はMERS発生から約半月で対策会議を主宰した。

今は国民の保健の危機ではない。国民の命がかかっている国家安保危機の状況だ。大統領の指示で民官総合対応TFを構成したが以前の福祉部傘下の民官合同対策班と大きく違っているようには見えない。民間の専門家が何人か増えたのが違いといえば違いである。初期対応の失敗に責任がある人々がそのまま参加している。今は国家的レベルでMERS戦争を遂行する民・官・軍・警の総合対策班が必要だ。軍医療スタッフや軍施設、警察力など韓国内すべての資源を総動員しなければならない。広域自治団体や地方自治体長も皆参加すべきだ。全国のすべての医療・公務員の人材を回してでもMERSが発生した地域に送らなければならない。隔離から漏れている対象者を捜し出して家の外に出られないように監視しなければならない。そうしてはじめて拡散の輪を断ち切ることができる。


2003年のSARS(サーズ)の際に高建(コ・ゴン)首相が中心となって戦争のように防疫作戦を遂行したことを思い出さなければならない。2009年の新型インフルエンザの時も無理なほど医療機関と地方自治体が先制的に動くように促して比較的大きな犠牲なしで終えたのではないか。今はそれよりはるかに恐ろしい国家的非常事態が目前に近づいているのに福祉部の長官では中央政府や地方政府を動かすことは難しい。もはや朴槿恵大統領がコントロールタワーになるべきである。大統領がすべてを賭けてMERSを防ぐと宣言すべきだ。国民の信頼を得ることができなければ決してこの戦いに勝つことはできない。



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