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【時論】MERSが病院の外に広まれば国家災難=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中東呼吸器症候群(MERS)が韓半島(朝鮮半島)に暗い影を落としている。ラクダを動物園でも見ることができる国で“ラクダ病”患者が25人に増え、死亡者も2人出てきた。中東を除けば世界でMERS発生1位という不名誉も記録した。

どこで間違ってこうした状況になったのか。MERSが国内に流入したのは中東の人ではなく農業関連会社の職員Q(68)を通じてだ。Qは4月18日-5月3日、バーレーン・サウジアラビア・アラブ首長国連邦(UAE)などを訪問した。Qが4日にカタール経由で仁川空港に入った当時、また症状はなかった。入国検査を無事に通過できたのは、おそらくMERS潜伏期だったからだろう。

11日から発熱・せきの症状が出てきたQは、A・B・C・Dの4カ所の病院を順に訪問した。11-17日に治療を受けたA・B・C病院で、Qは自分が「中東に行ってきた」ことを医療関係者に話さなかった。もし3カ所の医療スタッフがQの中東訪問を知っていれば、MERSが移る患者との「近接接触」は避けたはずだ。これによってA医院の看護師1人、B病院の看護師1人、C医院の医師1人がMERSに感染した。


症状が悪化すると、Qは18日、D総合病院に行った。D病院の医師が初めてMERSの疑いを抱き、Qの検体を国立保健研究院に送った。20日に国内で初めてMERS感染患者が確認されたのはD病院の医師のおかげだ。

D病院はまだメディアで実名が取り上げられていない。今回の事態が落ち着けば、この病院の医師に政府が大きな勲章を授与するべきだろう。もしこの時に診断されず、2次、3次患者が発生した後にMERSを確認したとすれば、状況ははるかに悪化していたはずだ。MERS感染状態で中国行きの飛行機に乗った男性患者Z(44)も、5月21日に訪問したX病院で自分が感染者の息子であることを明らかにしなかった。25日にZの妻が病院側に知らせたが、X病院は2日過ぎてから保健所に申告した。防疫の成敗を決める申告義務を徹底しなかったり守らなかった医師には200万ウォン(約22万円)以下の罰金、隔離要求に応じない患者には300万ウォン以下の罰金を科すという軽い処罰規定が、今回の事態を招いたとも見ることができる。

政府がMERSの国内流入の可能性を過度に低く評価したことも、こうした事態を呼んだ。その間、重症急性呼吸器症候群(SARS)、鳥インフルエンザの人感染、BSE(牛海綿状脳症)の人感染(vCJD)、エボラに感染した韓国人患者や国内流入事例がなく、あまりにも安易に対処したのではないだろうか。



【時論】MERSが病院の外に広まれば国家災難=韓国(2)

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