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【社説】政府の総体的無能がMERS非常事態を招いた=韓国(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中東呼吸器症候群(MERS)事態が拡散の一途をたどっている。2日にMERS関連の死亡者が2人発生し、3次感染者も確認された。患者は25人を超え、サウジアラビア(1010人発生で442人死亡)、アラブ首長国連邦(76人発生で10人死亡)に次いで世界3位という不名誉を抱くことになった。患者がさらにどれほど増えるのか、隔離対象がどれほど拡大するのか、めどが立たない状況だ。不安感が広がり、病院の予約取り消しが相次ぎ、子供を学校に行かせない親もいる。一時休校・休園に入る小学校と幼稚園も続出している。政府が十分な措置を取らず、国民の不安を招いたために生じた防疫災難だ。

海外でも韓国は「無責任なMERS汚染地域」という汚名を得ている。香港は韓国人と韓国訪問者を集中管理対象に含めた。日本も韓国人と韓国訪問者のうち発熱など関連症状が見られる人を対象に相談を要求している。株式市場で航空株を含む旅行関連株が暴落し、海外でも韓国旅行の取り消しが相次いでいる。もうMERSによる国家信頼度下落まで心配しなければいけない状況だ。

政府は事態がこのようになってからMERS拡散防止緊急対策班を稼働し始めた。隔離病床を十分に確保し、医療機関の関連費用対策を準備し、入国管理と検疫を強化するための関連人材を対策本部に派遣することにした。初期にこうした措置を取るべきだった。初動対処のゴールデンタイムを逃した後の対策だ。したがって無能な政府という非難を受けてもやむを得ない。


保健福祉部は感染病危機レベルを「注意」段階に維持しながら、対策本部長を次官から長官に格上げするなどの対応策を出した。しかし国民の体感危機はすでに国家非常事態に準ずる「深刻」レベルであり、政府の対応が遅いという認識が広がっている。国民は未熟な防疫対策に失望を繰り返し、政府に対する不信感が強まっている。

今はもう国家保健医療力を総動員し、より集中的かつ緻密な防疫管理で事態の追加拡散を防ぐべき時だ。政府は伝染病を追跡して拡散防止対策を講じる予防医学・疫学・保健学専門家を総動員する非常措置でも発動して、事態に対処しなければならない。必要ならSARS・新型インフルエンザを防いだ専門家も呼ぶべきだ。地方自治体に協力を要請し、患者の発生と動きを把握する疫学者の活動を行政力で支援しなければいけない。そうしてこそ、ワクチンも治療剤もなく突然変異の可能性も大きいウイルスに対処できる。さらなる拡散を少しでも有効に阻止する方法だ。政府が国民の信頼を少しでも回復する道でもある。このために患者が発生した病院のリストを公開し、一時閉鎖する一方、経営損失を公益寄与レベルで補償することも検討する必要がある。



【社説】政府の総体的無能がMERS非常事態を招いた=韓国(2)

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