イラスト=キム・フェリョン
そして茵乃偉を通じてチョ9段に関する話をたくさん聞き、機会がなればぜひ一度指導を受けたかったという。だがこの日の置き碁で勝負の意味はなかった。邱大使の布石は、韓国各界の要人とより多く交流して韓国の歓心を買うという公共外交の性格を濃厚に表わしていたためだ。
目についたのは邱大使の棋風だ。チョ9段の評のとおり「速棋」だった。また攻勢的だった。習近平・中国国家主席の話を思い出した。習近平は昨年この時期に北京大学を訪問して学生たちの対局を観戦した。その後ある学生の非常に攻勢的な碁石の動かし方を見た後「中国外交がこの学生を見習えば良い」という話を残した。
そんな習近平の囲碁の実力はどうだろうか。正確な実力は知られていない。しかし大変な囲碁愛好家であることは明らかだ。朴槿恵(パク・クネ)大統領の2013年訪中の際、中国囲碁の代表ランナー常昊を招いて朴大統領に挨拶させた点や、北京大が視察に訪れた習近平のために学生たちの対局を観戦できるよう日程を含めたことなどを見れば分かる。
特に中国囲碁の代父(ゴッドファーザー)である聶衛平9段が習近平と親しい仲であることを考えると、彼の囲碁愛は非常に大きいと思われる。習近平は中学時代に聶衛平、もう1人の友人である劉衛平らと共にいつも親しく通っていた。それで北京の「三平」という言葉が出てきた。3人の名前がみな平で終わるからだ。
習近平は大学卒業後に社会に初めて足を踏み入れながら囲碁を本格的に習ったという。父・習仲勳の長年の戦友である当時の耿ヒョウ中央軍事委員会秘書長の秘書として働くことになってからだ。耿ヒョウは囲碁によって世の中を見る目を鍛練できると言って囲碁を勧めた。囲碁は2000年以上にわたり中国の将軍や政治家、文人らが楽しんできた戦略ゲームだ。習近平もまた「碁を打って治国の道理を学んだ」と述懐したことがあるという。
そのためか習近平の外交もまた囲碁に似た様相だ。米国の「アジア回帰(Pivot to Asia)」戦略に対抗して展開する一帯一路計画がそうだ。米国が2008年秋に始まった金融危機から抜け出して気づいてみるとアジアで中国の図体がどんどん大きくなり、これに驚いてアジアに再び力を集中して中国を牽制するというのがアジア回帰の本質だと中国はみている。
【コラム】囲碁に似ている習近平外交(2)
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