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【取材日記】企業の危機対応にもゴールデンタイムがある=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
先月22日、韓国消費者院がナチュラルエンドテックの「白首烏」製品の原料から偽物の「耳葉牛皮消」が検出されたと発表した。株価は直ちに急落した。するとナチュラルエンドテックは「偽原料は使っていない」として消費者院の発表を否定した。消費者院の調査結果を信じられないとして第3機関の公開共同調査を要求したのに続き、消費者院を相手取って裁判所に調査結果の公表禁止の仮処分申請と民事・刑事訴訟を提起した。それでも足りずに「100%本物の白首烏だけを使っている」という新聞広告まで出した。しかし先月30日、食品医薬品安全処がナチュラルエンドテックの原料から偽物が出てきたという調査結果を発表すると、すぐに白旗を揚げるほかなかった。その間にナチュラルエンドテックの株価は17取引日の間に1日だけ除いて連日急落した。8万6600ウォンだった株価も8610ウォンに下がった。コスダック市場の代表ランナーだったこの会社の株式は急騰落を繰り返してマネーゲームの対象になっている。

偽白首烏の波紋は26日、酒類メーカー「麹醇堂(ククスンダン)」にも飛び火した。新薬処が白首烏製品を全数調査する中で麹醇堂の「百歳酒」の原料からも偽物である耳葉牛皮消が検出されたと発表した。百歳酒の完成品からは耳葉牛皮消の成分が検出されなかったが、麹醇堂の株価はストップ安まで急落した。すると麹醇堂は「過去に使った原料に、わずかでも耳葉牛皮消が混入した可能性を完全に排除することはできない」と率直に打ち明けた。すでに流通している百歳酒も自主回収すると発表した。百歳酒は昨年の売り上げの20%を占めた麹醇堂の代表商品だ。それでも麹醇堂は、これまでの製品を回収して新しい百歳酒を出すことにした。新薬処の発表当日ストップ安に直行した麹醇堂の株価は、翌日反騰すると28日には10%以上急騰して以前の水準を回復した。

しかし危機が迫った時に見せた2つの企業の初期対応の差は、今後この2社の将来まで見通すようにさせる。投資家のホ・ナムグォン信用資産運用副社長はこれを「信頼の問題」と診断した。企業が失敗したとしても速やかに過ちを認めて正せば企業と投資家の間の信頼が積み重なり、むしろ「禍を転じて福となす」きっかけになりうるという説明だ。1982年に米国で誰かが解熱鎮痛剤タイレノールに毒劇物を入れて7人が死亡する事件が発生した。メーカーであるジョンソン・エンド・ジョンソンは責任を回避するための対応策を出さなかった。むしろ米国全域からタイレノールを回収した。この時に負担した費用だけで2億5000万ドルで当時の売り上げの5%に達した。損失を甘受し、信頼を得たおかげでこの会社は翌年、鎮痛剤市場1位を取り戻した。これとは違い日本の三菱自動車は2000年に100万台以上のリコール情報を隠していた事実が明るみになり今も消費者に背を向かれている。企業の危機対応にも「ゴールデンタイム」がある。


キム・チャンギュ経済部門記者



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